【大学・TLO】直近3年他社特許の拒絶引用件数ランキング　トップ3は東工大、東北大、東大

2012年12月03日

　弊社はこのほど、大学・TLOからの特許出願を対象として、「直近3年　他者特許への拒絶理由通知引用件数ランキング」を集計しました。このランキングは、2010年1月から2012年9月末までの期間において、他者特許の審査過程において、拒絶理由通知に引用された特許件数を機関別に集計したものです。

　拒絶理由通知に引用されるということは、他者が権利化を図る際の具体的な障害になった技術と見なすことができます。また、他者が受けた拒絶理由通知の時期を直近3年間に絞ることで、大学・TLOが保有する技術の最新の市場性を測る目安となります。

　集計の結果、1位東京工業大学、2位　東北大学、3位東京大学となりました。

　【大学・TLO「直近3年他者特許の拒絶引用件数」ランキング】

順位	機関名	被引用件数	単独出願分	共同出願分
1	東京工業大学	299	172	127
2	東北大学	277	95	121
3	東京大学	200	83	117
4	京都大学	199	71	128
5	早稲田大学	194	84	110
6	慶応義塾	191	117	74
7	日本大学	164	104	60
8	東海大学	145	79	66
9	大阪大学	132	63	69
10	名古屋大学	123	50	73

　1位の東京工業大学は、薄膜トランジスタや触媒などの分野において引用されています。最も引用されたのは、「非晶質酸化物を利用した新規な発光装置」に関する特許で、セイコーエプソンや、出光興産、キヤノンなど12件の公報に引用されています。

　2位の東北大学は、半導体や光学系装置などの分野の出願で引用されています。最も引用されたのは、「液晶表示デバイスの駆動などに用いられる透明なトランジスタ」に関する特許で、サムスンエレクトロニクスや、京セラ、キヤノンなど10件の公報に引用されています。

　3位の東京大学は、ナノテクノロジーなどの分野において引用されています。最も引用されたのは、「電気エネルギと運動エネルギとを変換する静電誘導型変換素子」に関する特許で、旭硝子や三洋電機など7件の公報に引用されています。

　また、すべての機関を含めて最も引用件数が多かったのは、名古屋工業大学と大陽日酸の共同出願による「高速・高温で動作可能な電界効果トランジスタ」に関する特許で、パナソニック、ソニー、シャープなどの公報15件に引用されました。

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