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キリンとサントリーの経営統合の効果を、特許情報から検証する ~競合状況からの検証~


2009年08月17日

前回ご紹介したキリンとサントリーの2社間における検証結果から、両社の経営統合は、特許戦略ポータルサイトに対応する289の技術分野のうち、「食料品」「包装・紙製品製造」の分野で高い相乗効果が期待できることが分かりました。
今回は競合他社を含めて見たときに、両分野においてどれくらいの統合効果が期待できるのかについて検証します。

◆食料品の4分野において「特許資産の規模」のシェアが伸びる

図1 食料品分野の統合効果(特許資産の規模シェア)
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図1は、食料品分野について、技術競争力を測る指数である「特許資産の規模(※1)」のシェアをより詳細な技術分野ごとに集計した結果です。 技術分野の分類には、特許庁が1件1件の特許に対して付与している「テーマコード」を採用しました。 この図でシェアが伸びている技術分野において、統合効果が高いと読み取ることができます。 これを見ると、

  • 「発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール」が12.8%(キリン:8.6%、サントリー:4.1%)
  • 「茶・コーヒー」が3.7%(キリン:1.2%、サントリー:2.5%)
  • 「非アルコール性飲料」が2.9%(キリン:1.2%、サントリー:1.6%)
  • 「酒類」13.2%(キリン:1.9%、サントリー:11.3%)

の各分野でシェアが伸びていることが分かります。

◆発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール~総合力でアサヒに迫る~

図2 「発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール」分野競合状況
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図2は、「発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール」分野の参入企業の競合状況を視覚化したものです。 縦軸が総合力、横軸が個別特許の強さ、円の大きさが出願件数を表しています(※2)。 これを見ると、この分野では総合力、個別力ともにアサヒビールが首位となっています(※3)。 キリン、サントリーの経営統合後もアサヒを抜くことはできませんが、その差が縮まりアサヒに迫る勢いであることが分かります。 なお、2009年7月10日に発表されたビール各社の2009年上半期の出荷量では、キリンビールのシェアが37.5%、アサヒビールのシェアが36.9%と、僅差ながらもキリンがアサヒを3年ぶりに上回りました。 また同期間のサントリーのシェアは12.7%となり、前年同様の3位でした。

【参考:各社の代表的な製品】アサヒ:「スーパードライ」「黒生」、キリン「ラガー」「一番搾り」、サントリー「モルツ」など

◆茶・コーヒー~花王が大きくリード、大きな統合効果は見られない~

図3 「茶・コーヒー」分野競合状況<クリックで拡大>

図3は、「茶・コーヒー」分野の参入企業の競合状況を視覚化したものです。 緑茶や紅茶などの茶製品やコーヒーの製造技術、その調製品や処理などに関する技術分野です。 キリン、サントリーの両社を合わせても、花王や伊藤園との差は縮まっていません。 技術競争力の面において、経営統合後にすぐに効果が見出せる分野ではないと考えられます。

【参考:各社の代表的な製品】<お茶>花王:「ヘルシア」、伊藤園:「お~いお茶」、コカコーラ:「爽健美茶」、キリン:「生茶」、サントリー:「伊右衛門」「黒烏龍茶」など<コーヒー・紅茶>花王:「ヘルシアコーヒー(特定保健用食品申請中)」、伊藤園:「サロンドカフェ」、コカコーラ: 「紅茶花伝」「ジョージア」、キリン:「FIRE」 「午後の紅茶」、サントリー:「BOSS」など

◆非アルコール性飲料~総合力で業界3位に~

図4 「非アルコール性飲料」分野競合状況<クリックで拡大>

図4は、「非アルコール性飲料」分野の参入企業の競合状況を視覚化したものです。 アルコール濃度が1%以下の炭酸飲料、果汁または野菜汁入り飲料、健康飲料などの飲料に関する技術分野です。 この分野も総合力、個別力で花王が他社を圧倒しています。 総合力の2位は伊藤園で、次いで「キリン+サントリー」となります。

【参考:各社の代表的な製品】花王:「ヘルシアスパークリング」、伊藤園:「充実野菜」、キリン:「キリンレモン」、サントリー:「なっちゃん」「CCレモン」、味の素:「アミノバイタル」など

◆ 酒類~アサヒを抜き、総合力で業界1位に~

図5 「酒類」分野競合状況<クリックで拡大>

図5は、「酒類」分野の参入企業の競合状況を視覚化したものです。 ぶどう酒、清酒、蒸留酒、その他の酒類(ビールを除く)に関する技術分野です。 この分野では、キリン、サントリー連合は、アサヒビールを抜き、業界首位になります。 個別力、特許件数でもアサヒを上回っており、統合効果を発揮できる分野の1つであると推測できます。

【参考:各社の代表的な製品】アサヒ:「ピュアモルト」「ハイリキ」、キリン:「シャトー・メルシャン(メルシャン)」「PureBlue」、サントリー:「山崎」「響」など

◆瓶詰機の分野で総合力2位、個別でトップ~サントリーが牽引~

図6 「瓶詰機」分野競合状況<クリックで拡大>

「食料品」と同様に、「包装・紙製品製造」についてもテーマコードの技術分類をもとに、統合効果が見出せる分野を「特許資産の規模」のシェアから分析しました。 その結果、「瓶詰機;洗瓶、密封、一貫工程」の分野でシェアが伸びることが分かりました。 これは、ビール瓶や缶などの容器に液体を充填するための技術に関する分野です。 この分野ではサントリーが牽引しており、特許件数は少ないものの、総合力で業界2位となっています。 また個別力では業界首位であり、技術競争力のある分野の1つであることが分かります。

ここまで2回にわたり、キリン、サントリーの経営統合の事例をもとに、技術競争力の検証手法をご紹介しました。 このような企業単位での検証以外にも、特定の技術分野における業務提携や事業譲渡などについて、技術競争力の面からその効果を検証することも可能です。 無形資産の評価の重要性については、これまで多方面で指摘されていましたが、その評価手法が確立されていなかったため、なかなか評価が進んでいなかったのが実情です。 今回ご紹介した手法を活用することで、特許の質と量の両面から無形資産を客観的に可視化することが可能になり、より多面的な企業評価が進むものと考えられます。



(※1)特許資産の規模:有効特許1件ごとに特許の注目度を評価する「パテントスコア」を算出した上で、スコアの高低が明確になるように重み付けを行い、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせて、出願人ごとに合計得点を集計しています。

(※2)図表の見方総合力:特許資産の規模。 特許件数が少なくてもスコアの高い特許を多く保有していると、縦軸の上位に現れる。 特許の質と規模の両方を評価。 個別力:各企業の保有する特許資産のうち、最も得点の高い個別特許のスコア値。 特許件数が少なくてもスコアの高い特許を1件でも保有していると、横軸の上位に現れる。 1件の光る特許を評価。 円の大きさ:特許件数の多さを示す。 研究開発の規模の大きさを評価。

(※3)グループ企業の名寄せアサヒグループ:アサヒビール+アサヒ飲料+アサヒビールエンジニアリング宝ホールディングス:宝ホールディングス+宝酒造サッポロホールディングス:サッポロホールディングス+サッポロビール+サッポロワイン

 

※経営分析、競合調査、特許分析サービスに関する詳細は、
 「企業向け」「大学・研究機関向け」「金融機関向け」の各ページをご参照ください。

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