弊社はこのほど、独自に分類したハウスメーカーの企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ハウスメーカー 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、ミサワホームの249件、次いで積水ハウスの193件、大和ハウス工業の133件となりました。
【ハウスメーカー 他社牽制力ランキング2014 上位11社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ミサワホーム | 249 | |
積水ハウス | 193 | |
大和ハウス工業 | 133 | |
住友林業 | 92 | |
旭化成ホームズ | 86 | |
トヨタホーム | 81 | |
パナホーム | 80 | |
三井ホーム | 17 | |
一条工務店 | 6 | |
サンヨーホームズ | 6 | |
ヤマダ・エスバイエルホーム | 6 | |
1位ミサワホームの最も引用された特許のうち、現在も特許権が維持されているものは、「外部電力供給手段からの電力供給の状況にかかわらず、十分な電力を確保できる建物」に関する特許(特許第3239106号)で、後発の特許3件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、トヨタホームとデンソーの共同出願のほか、パナソニック、Aloys Wobben氏(独・Enercon創業者)の各1件となっています。
2014年全体を通じて、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタホームおよび積水化学工業で、旭化成ホームズ、パナソニックIPマネジメントと続いています。
2位積水ハウスの最も引用された特許は、「結露発生の可能性を少なくする断熱構造」に関する特許(特願平7-118535)で、後発の特許3件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この3件はいずれもケイミューの特許となっています。
2014年全体で、積水ハウスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はミサワホームとなっており、旭化成ホームズ、トヨタホーム、積水化学工業、パナソニックIPマネジメントと続いています。
3位大和ハウス工業の最も引用された特許は、「クローラー式走行車(特許第5336158号)」で、後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この4件はいずれも千葉工業大学の特許となっています。
2014年全体を通じて、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はミサワホームで、トヨタホーム、旭化成ホームズ、積水化学工業と続いています。
ハウスメーカーの特許のうち、2014年に最も引用された特許は、トヨタ自動車とトヨタホームの共同保有である「家庭や集合住宅などの家庭用電源で、複数台の電気自動車やハイブリッド車を効率よく充電する充電制御装置」に関する特許(特許第4333798号)となっています。この特許は、後発の特許19件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には、パナソニックや三菱電機、KDDI、マツダ、クラリオンなどに影響を与えています。
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