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知的財産会計


【知的財産会計】とは、企業の会計規則および経営・財務関連情報の開示(ディスクロージャー)に係わる問題定義として用いられている言葉である。こうした問題が提起されるに至った背景には、企業価値に占める無形資産の割合が増大(帳簿上の株主資本と株式時価総額の差額が増大)する中で、現在開示されている経営・財務情報のみでは、投資の意思決定において限定的な役割しか果たせなくなっていることがある。
  一方、新規技術等に係わる研究開発活動の重要性が益々高まっている中、こうした研究開発活動に伴う支出は、会計基準上、原則として全額費用に計上する規則となっている。これは、研究開発費が将来における収益の源泉となる可能性を持つ新規技術等(自己創設の特許等を含む無形資産)を生み出すための投資としての性質を有することは明らかであるものの、その成果や内容を公正に資産計上するための基準がないため、不正な経理操作に利用されることを防ぐ趣旨で全てを費用計上しその総額を開示することを義務付けたものと思われる。このため、企業における研究開発費の総額が増大する中、研究開発活動の成果や内容を開示する仕組み(さらには公正な基準に基づき資産計上する仕組み)の構築は喫緊の課題であるとの認識が広まりつつある。
 知的財産会計とは、広い意味では、株式時価総額と会計上の株主資本の差額(【オフ・バランスの無形資産】)を構成する自己創設のブランドや技術・ノウハウ、これらのうち法律によって保護された知的財産権などを任意性のある手法によって評価することによって、【オフ・バランスの無形資産】の価値の源泉を明らかにするための会計手段(および情報開示手段)であると言うことができる。
 2003年1月、経済産業省は、企業が持つ特許権などの知的財産の価値を投資家が判断するための「知的財産報告書制度」を導入する方針を打ち出した。これは、2002年7月に発表された日本版プロパテント政策の根幹をまとめた「知的財産戦略大綱」に報告された具体的行動計画に基づくものであるが、国として企業の知的財産に関する情報開示制度の導入方針を明確化したことは諸外国にも前例が無く、【知的財産会計】への重要な第一歩と位置付けられよう。

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