特許用語集
実施権
実施権とは、特許発明を実施するための権利(ライセンス)のこと。特許法上の実施権には、<1>専用実施権、<2>通常実施権の2つがある。
<1>専用実施権
\n独占排他的に実施できる権利(特許法第77条)。設定された範囲において、特許権を自ら実施するほか、他人に譲渡したり、ライセンス供与することができる。設定範囲には、期間、地域、内容などについて定義され、特許庁での登録により効力が発生する。同一の内容について、複数人を設定することはできない。企業であれば、1社に対して特許権を設定し、その1社が独占して実施する。
<2>通常実施権
独占排他的ではなく、単に実施する権利。同一の内容について、複数人を設定することができる。企業であれば複数社に特許権を設定できる。通常実施権には、(i)先使用や職務発明など、法律で定められた要件を満たす場合に発生する「法定通常実施権」、(ii)出願日から4年経過し、3年以上継続して実施されていないものや、特許庁長官によって公共の利益のために必要とみなされたものなど、裁定手続きにより強制的に発生する「裁定通常実施件」、(iii)特許権または専用実施権に基づくライセンスにより設定される「許諾による通常実施権」がある。