特許権の維持にはコストがかかります。このため、事業に活用されることなく眠っている特許については、権利放棄やライセンス供与を検討するなど、定期的に保有特許の見直し(特許の棚卸し)をする必要があります。その際のスクリーニングに、個別特許の注目度の高さを指数化する「パテントスコア」が活用できます。
図1は、ある業界の企業4社について、保有するすべての特許のパテントスコアを算出し、スコアと件数の分布をまとめたものです。スコア分布のピーク位置が図の右側に向かうほど、パテントスコアの高い特許(注目度の高い特許)を多く保有していると読み取れます。
これを見ると、パテントスコアの平均が最も高いのはC社となっています。件数は4社中で最も少ないですが、低スコア側の件数が少なく、全体的に高スコア側に分布していることが分かります。同社は厳選した特許出願をしている、あるいは定期的に棚卸しを行っていることが推測されます。
そのほかA社は、平均の54.8を中心としてほぼ左右対称になだらかな分布をしていますが、パテントスコアが70~80の高スコアの特許を多く保有している点に特徴があります。D社もまたなだらかな分布をしていますが、高スコア側の件数が少ないように見受けられます。またB社は、平均の57.2のあたりに鋭いピークがあることに特徴があります。
特許件数が多い企業の場合には、図1のようにすべての特許のパテントスコアを算出し、スコア順に並び替えて整理することで、棚卸しにかかる作業負担を大幅に削減することができます。もちろんパテントスコアが高ければそれだけで良いというものではありませんが、すべての特許を1つひとつ同じ判断基準でチェックすることは困難です。パテントスコアを使って機械的にスクリーニングすることで、注目度が高い特許、低い特許について、短時間で目星をつけることができます。
また保有特許件数が少ない企業にとっても、権利を維持するかどうかを判断する上で、「注目度が高いかどうか」は非常に有効な指標となります。パテントスコアが低い休眠特許については放棄し、パテントスコアが高い休眠特許については、ライセンス先を探すなどの選択肢が検討できるでしょう。
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