弊社はこのほど、音声認識関連技術について米国における競合分析を行い、参入企業に関する調査結果をまとめました。音声認識技術は、翻訳機やスマートフォンの操作など、幅広い用途で利用され始めており、今回は周辺技術を含めた音声認識関連技術全般について調査を実施しました。
1980年から2012年6月末までに米国特許商標庁において公開された特許10,259件を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、質と量の両面から総合的に評価しました。
集計の結果、1位 NUANCE COMMUNICATIONS、2位AT&T、3位 MICROSOFTとなりました。
【米国 音声認識関連技術 特許総合力トップ10】
順位 | 権利者 | 総合力(pt) (権利者スコア) |
有効特許 件数 |
個別力(pt) (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
NUANCE COMMUNICATIONS | 3036.2 | 784 | 86.4 | |
AT&T | 2099.7 | 501 | 78.2 | |
MICROSOFT | 2035.1 | 595 | 69.8 | |
1834.6 | 217 | 78.3 | ||
RESEARCH IN MOTION | 953.0 | 69 | 76.1 | |
AVAYA TECHNOLOGY | 658.5 | 70 | 78.2 | |
ソニー | 607.1 | 217 | 81.8 | |
キヤノン | 548.7 | 133 | 64.5 | |
パナソニック | 548.5 | 139 | 75.1 | |
PHOENIX SOLUTIONS | 537.5 | 33 | 75.5 | |
1位のNUANCE COMMUNICATIONSは、音声認識に特化した技術開発を手掛ける企業で、同社が開発した技術は、アップルのスマートフォンiPhoneなどに使われる音声認識技術「Siri(シリ)」にも活用されています。同社は、本分野においてIBMから546件もの特許を取得しており(このうち有効特許は517件)、独自に出願する以外にも、積極的に他社から特許を取得していることがうかがえます。
注目企業としては、4位のGoogleが挙げられます。2012年5月に買収を完了したMotorola Mobolityの特許群が大きく貢献し、総合力で4位にランクインしました。
また、ソニー、キヤノン、パナソニックなどの日本企業もトップ10内にランクインしています。ソニーは、「音声コマンドによりネットワーク上の複数の電子機器を制御する技術」などが、キヤノンは、「スピーチ認証に使うパターンマッチングに関する技術」など、パナソニックは「音声入力によりメールを作成するための技術」などが、注目度の高い特許として挙げられます。
本分析の詳細については、特許・技術調査レポート「米国 音声認識関連技術」にてご覧いただけます。
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
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