弊社はこのほど、日本に出願された拡張現実(AR:Augmented Reality)及び複合現実(MR:Mixed Reality)関連技術について、参入企業に関する調査結果をまとめました。
ARとは、現実環境にVR(Virtual Reality:仮想現実)による情報を重ね合わせることで、現実世界を「拡張」するものを指します。例えば、ある現実風景をAR機器(アプリ)を通して見ると、VRによる情報が重なって見える、というもので、最近ではスマートフォン用アプリである「セカイカメラ」が話題になりました。MRは現実の情報と仮想的な情報をミックスさせるというもので、ARの上位概念にあたります。本調査ではAR/MR技術関連の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング(※)」では、1位 キヤノン、2位 パナソニック、3位 任天堂となりました(下表、図1)。
【拡張現実/複合現実関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者 スコア) |
有効 特許 件数 |
個別力 (最高 スコア) |
---|---|---|---|---|
キヤノン | 903.9 | 268 | 71.3 | |
パナソニック | 240.4 | 29 | 74.5 | |
任天堂 | 231.0 | 49 | 73.6 | |
ソニー | 162.3 | 62 | 70.3 | |
新日鉄住金ソリューションズ | 135.4 | 22 | 80.0 | |
総合力1位のキヤノンは件数、総合力ともに他社を圧倒する結果となっています。本分野は2010年になり出願が急増していますが(図2)、キヤノンはそれより以前から積極的な出願をしており、2008年、2009年ごろに一旦件数が減少しますが、2010年には他社同様に件数を増やしています(図3)。
さらに、本分析対象特許群を文書中のキーワードによりARとMRに区別し、キヤノンと同社以外の企業に分けて集計すると、ARに関する出願件数は特別目立っていませんが(図4)、MRでは他社を圧倒していることが分かります(図5)。
また、AR/MR技術双方を併せたキヤノンの外国への出願状況を見ると、ほぼ欧米に集中していることが分かります。2010年にはPCT経由での出願も増えています。それに対して、ソニーは、欧米、中国だけではなく、台湾、インド、ロシアなど比較的多くの国への出願が見受けられるのが特徴的です(図6)。
本分析の詳細については、特許・技術調査レポート「拡張現実(AR)/複合現実(MR)関連技術」にてご覧いただけます。
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
【価格】 ※個別企業分析の対象企業は、特許総合力上位企業または任意にご指定可能。 |
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パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
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