【顔料分散型カラーフィルタ】特許総合力トップ3は富士フイルム、大日本印刷、凸版印刷　直近3年間では東洋インキが躍進

　特定波長の可視光のみ透過するカラーフィルタは、薄型テレビやパソコン、スマートフォンなどのディスプレーの画質を左右する重要な構成部品です。そこで弊社は、顔料分散技術により作製されたカラーフィルタに着目し、参入企業の競争力に関する調査を行いました。1993年から2012年11月末までに日本の特許庁で公開された関連特許11,687件を対象に、個別特許スコアリング指標「パテントスコア」による評価を、現在と2009年末の2つの時点で実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング」を集計しました。

　その結果、1位 富士フイルム、2位 大日本印刷、3位 凸版印刷という結果となりました。また2009年から現在までの推移をみると、東洋インキが総合力を大きく伸ばしています。

　　　【顔料分散型カラーフィルタ関連技術　特許総合力トップ5】

顔料分散型カラーフィルタ関連技術　競合状況

　1位 富士フイルムホールディングスの注目度の高い特許には、遮光性と基板密着性が高く、また高感度に硬化する、チタンブラック顔料を用いた「重合性組成物および固体撮像素子」が挙げられます。現在審査中ですが、既に当特許は他社特許の拒絶査定に引用されています。

　2位 大日本印刷の注目度の高い特許には、ポリ臭素化亜鉛フタロシアニンに有機リン酸塩と有機スルホン酸塩を組み合わせることで顔料分散性を向上させ、また塗膜の耐熱性や耐溶剤性も優れる「カラーフィルタ用顔料分散液、及びネガ型レジスト組成物」などが挙げられます。

　3位 凸版印刷は、透過型と反射型ともに同一色調で表示し、解像度の低下なく低コストな「半透過型カラー液晶表示装置」などが、4位 セイコーエプソンは、有機材料の膜厚のばらつきが少なく、高精度にパターニングされた「薄膜形成方法」などが挙げられます。

　5位 東洋インキホールディングスは、2003年から出願件数が増加しており、また凸版印刷との共同出願が多くみられます。同社の注目度の高い特許には、塗膜の異物発生がなく、色特性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れる「カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ」などが注目度の高い特許として挙げられます。

　6位以下では、キャノン、JSR、シャープ、住友化学、東レ、三菱化学等の企業が上位にランクインされています。

　国内特許をもとに海外のどの国へ優先権主張されているのかをみてみると、アメリカ合衆国が最も多くなっています。一方2006年以降をみると、台湾、大韓民国、中華人民共和国のアジア3国への優先権主張がアメリカ合衆国を上回っています(下図参照)。

優先権移行先　国別件数ランキング（内訳出願年）

　本分析の詳細については、定型レポート「顔料分散型カラーフィルタ関連技術」にてご覧いただけます。

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定型レポート 『顔料分散型カラーフィルタ関連技術』

参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。

【収録データ】
　　・特許総合力ランキング_上位30社リスト
　　・有効特許件数ランキング_上位30社リスト
　　・開発規模（出願件数）ランキング_上位30社リスト
　　・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
　　・母集団の公報リスト

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