投稿日:2014年02月27日

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【ヘッドアップディスプレイ】特許総合力トップ3はパイオニア、デンソー、東芝

#自動車・輸送機器 , #電子部品・電子機器・電子材料

 弊社はこのほど、日本に出願されたヘッドアップディスプレイ関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。

 ヘッドアップディスプレイは、フロントガラスまたはフロントガラス前方に走行情報を映し出す表示技術です。この技術は、走行状況の確認に伴うドライバーの視線移動を最小限に抑えるため、走行時の安全性向上に大きな期待が寄せられています。映し出される走行情報としては、車速、エンジン回転数、水温、油圧など計器の表示や、最近ではカーナビゲーションによるガイド表示、また暗闇で周辺状況を表示して運転者の視認を支援するナイトビューなどがあり、ヘッドアップディスプレイによる表示の利用拡大が進んでいます。本調査ではヘッドアップディスプレイ関連技術の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。

 その結果、1位 パイオニア、2位 デンソー、3位 東芝という結果となりました(表1、図1)。


    【ヘッドアップディスプレイ関連技術 特許総合力トップ5】(表1)

順位 企業名 総合力
(権利者スコア)
有効特許件数 個別力
(最高スコア)
1
パイオニア524.32779.9
2
デンソー433.414274.5
3
東芝243.22381.6
4
矢崎総業150.58369.7
5
日本精機140.810786.7

ヘッドアップディスプレイ関連技術

図1:ヘッドアップディスプレイ関連技術 競合状況


 1位パイオニアの注目度の高い特許には、目的地へのルートや距離の表示がフロントガラス前方に浮かび上がって見える「ヘッドアップディスプレイ、制御方法、及び表示装置」など、車両前方の風景と投影された虚像を重畳視認させる技術が多く含まれます。


 2位デンソーの注目度の高い特許には、視界を妨げることなく運転状況に応じて視認されやすい位置に必要な情報のみをフロントガラスに反射させて表示する「車両情報表示システム」などが挙げられます。


 3位東芝は、投影領域を適切に制御し、視認性を向上するため運転者の片眼のみに入射する技術などが、4位矢崎総業は、フロントガラス上に投影させた虚像と車両の前景とを重畳視認させる際、運転者のアイポイントのばらつきやフロントガラスの形状の違いに対応する技術などが、5位日本精機は、周囲の明るさに応じて手動のみならず発光輝度を自動的に調整する技術などが挙げられます。


 6位以下では、トヨタ自動車、日産自動車、パナソニック、本田技研工業、また海外企業として、JOHNSON CONTROLS INTERIORS等の企業が上位にランクインしています。


 図2は、総合力上位5社について外国出願状況をパテントファミリー情報(注2)の集計により調査した結果です。5社全体ではアメリカ、ドイツにパテントファミリーが多く見られます。


 パイオニアは有効特許27件のうち海外出願16件全てがPCT出願となっており、現在アメリカと欧州へそれぞれ移行されています。デンソーは、全期間ではアメリカ、ドイツへの出願が多いものの、2011年以降の期間では中国や韓国への出願が増加しています。他3社の海外出願国についてみると、2011年以降の期間において、東芝は全期間と同様にアメリカへの出願が、矢崎総業は中国への出願が、日本精機は中国やアメリカへの出願がそれぞれ増加しています(※欧州各国への移行状況については、Biz Cruncher グローバル版でご確認いただけます)。


ヘッドアップディスプレイ関連技術

図2:総合力上位企業の海外出願状況



 本分析の詳細については、定型レポート「ヘッドアップディスプレイ関連技術」にてご覧いただけます。

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(※1):総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。

(※2):ファミリーデータは欧州特許庁のDefinition 3(http://www.epo.org/searching/essentials/patent-families/definitions.html)相当を使用。



【調査対象の特許群について】 1993年から最新2014年1月末までに公開された特許公報が対象。公開、登録、公表、再公表のすべてが対象で、登録と、公開・公表・再公表が重複している場合は、登録を優先。企業等の集計単位は権利者ベースとしています。


ランキングデータの販売

定型レポート 『ヘッドアップディスプレイ関連技術』

参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。

【収録データ】
  ・特許総合力ランキング_上位30社リスト
  ・有効特許件数ランキング_上位30社リスト
  ・開発規模(出願件数)ランキング_上位30社リスト
  ・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
  ・母集団の公報リスト


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