弊社はこのほど、日本に出願された機械・摺動部材へのDLCコーティング技術・部材について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。
様々な機械部品で構成される製品、装置等において、部品間の接触部分に生じる摩擦力によりエネルギーロスが生じ、さらには摩耗によるロスも発生します。こうした摩擦力や摩耗を低減するため、主に潤滑油が用いられていますが、さらなる摩擦力、摩耗を低減させるため、硬質皮膜、特にダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜を用いる技術が注目されています。本調査では機械・摺動部材へのDLCコーティング技術及びDLCコーティングされた部材に関する特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング(※1)」では、1位日産自動車、2位神戸製鋼、3位NTNとなりました。
【機械・摺動部材へのDLCコーティング技術・部材 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
日産自動車 | 294.4 | 38 | 79.6 | |
神戸製鋼所 | 169.3 | 24 | 71.0 | |
NTN | 144.9 | 29 | 67.7 | |
ジェイテクト | 127.0 | 32 | 66.1 | |
住友電気工業 | 125.2 | 9 | 77.2 |
現在総合力1位であるトヨタ自動車は、2005年から2009年にかけて有効特許件数、権利者スコアがともに大きく上昇していますが、2010年以降有効特許件数は微減、権利者スコアは横ばいから微増となり、2014年から最新の状態にかけて再び大きく増加しています。2011年以降はNTN、本田技研工業の権利者スコアが大きく上昇し、トヨタ自動車に肉薄しています。このうち本田技研工業はNTNのような有効特許件数の大幅な増加がないものの、権利者スコアが大きく上昇しているという特徴があります。このほか、日産自動車の権利者スコアも増加傾向が続いており、トヨタ自動車の1強状態であった本分野の状況が直近ではその他の企業も含めて活発化してきたと言えます。
図表2は、分析対象特許を代表的なコーティング方法である物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)の二つに分け、これらの出願割合を総合力上位5社について見たものです(※2)。
総合力上位企業はDLCコーティング方法としてPVDを用いることが多い中で、ジェイテクトはPVDよりもCVDの割合が非常に高くなっています。また、DLCコーティング部材に関する特許を含めて割合を見ると、NTN、ジェイテクトはDLCコーティング方法に関する特許の割合が他社に比べ少なく、DLCコーティング部材に関する特許が中心であることが分かります。著名なベアリングメーカーであるジェイテクト、NTNの2社の特許はこれらの結果から最終製品に近い技術に関するものが中心であると言えます。
本分析の詳細については、特許・技術調査レポート「機械・摺動部材へのDLCコーティング技術・部材」にてご覧いただけます。
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
【価格】 ※個別企業分析の対象企業は、特許総合力上位企業または任意にご指定可能。 |
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(注)レポートは弊社データベースにおける最新の収録範囲に基づき作成いたします。
そのため、ご発注のタイミングによっては上記ランキングと順位、値が異なる可能性があります。
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レポート冊子やデータ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】 ・特許総合力ランキング_上位30社リスト ・有効特許件数ランキング_上位30社リスト ・開発規模(出願件数)ランキング_上位30社リスト ・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ) ・母集団の公報リスト |
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