【米国：SiC半導体】特許総合力トップ3はCREE、ローム、住友電工

　弊社はこのほど、2021年7月末までに米国特許商標庁で公開された「SiC半導体関連技術」について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。

　SiC（炭化ケイ素）はシリコンと炭素が1対1で構成された化合物であり、絶縁破壊強度が高く、従来のシリコンデバイスよりも、高耐圧かつ低損失な半導体を実現することができるという特徴があります。大電流・高耐圧が求められる車載用や太陽光インバータ、データセンターなど幅広い分野で利用されています。今調査では米国特許商標庁で公開された「SiC半導体関連技術」について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。

　集計の結果、「総合力ランキング（※1）」では、1位　CREE、2位　ローム、3位　住友電気工業となりました（表1、図1）。上位5社中、日本企業は4社ランクインしています。

　　　　【米国におけるSiC半導体 関連技術　特許総合力トップ5】（表1）

図1：米国におけるSiC半導体 関連技術　競合状況

　1位　CREEは、「電力損失を抑える高電力絶縁型ゲート・バイポーラ・トランジスタ」や「半導体基板上に形成された配線とデバイスのn型領域、p型領域とを電気的に接続するオーミックコンタクトが良好なSiC半導体」に関する技術などが、注目度の高い特許として挙げられます。

　2位　ロームの注目度の高い特許には「チャネル移動度の向上およびオフリーク電流の十分な低減を達成することができる半導体」や「オフ時の絶縁破壊耐圧を向上させることができ、さらにチャネル特性を制御できる半導体」に関する技術などが挙げられます。

　3位　住友電気工業の注目度の高い特許には「チャネル移動度などの電気的特性に優れたSiC半導体」や「エピタキシャル膜や半導体素子を形成する工程における不良の発生確率を低減することが可能な半導体」に関する技術などが挙げられます。

　そのほか、4位 三菱電機は「ターンオフ時にゲート電極のトレンチ底部の保護拡散層に流れ込む変位電流に起因するゲート絶縁膜の破壊を抑制できる半導体」など、5位 デンソーは「チャネル移動度を向上させる半導体」などの技術が、注目度の高い特許として挙げられます。

　6位以下には富士電機やパナソニック、東芝などの企業がランクインしています。

　本分析の詳細については、定型レポート「米国におけるSiC半導体 関連技術」にてご覧いただけます。

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