弊社はこのほど、独自に分類した自動車部品業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、デンソーの5,728件、次いで矢崎総業の1,188件、住友電装の1,089件となりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
デンソー | 5,728 | |
矢崎総業 | 1,188 | |
住友電装 | 1,089 | |
アイシン精機 | 946 | |
日立オートモティブシステムズ | 903 | |
日本精工 | 902 | |
ジェイテクト | 850 | |
豊田合成 | 845 | |
NTN | 716 | |
アイシン・エィ・ダブリュ | 678 | |
1位デンソーの最も引用された特許は、「車両の充電状態などを屋内に情報伝達する車両充電装置」に関する特許(特許第4840337号)で、後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはパナソニックIPマネジメントの6件、アイホン、日本宅配システム、LS産電(韓)の各1件となっています。このほかには、「防犯機能を有する車両充電システム」に関する特許(特許第4379823号)や「車両用着座センサ(特許第4474995号)」などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2位矢崎総業の最も引用された特許は、「車両の運行状態の記録装置」に関する特許(特願2000-225403)および、トヨタ自動車との共同保有となっている「バスバーモジュール」に関する特許(特許第5308841号)で、いずれも後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、前者は富士通テン、三菱電機の各2件など、後者は住友電工グループ(※)3社の共同出願6件、LG Chemの1件となっています。
2014年全体で、矢崎総業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友電工グループ、次いでデンソー、古河電気工業となっています。
3位住友電装の最も引用された特許は、「自動車用アース端子と電線の防水接続構造(特許第3994822号)」で、後発の特許11件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、古河AS、古河電気工業の共同出願9件、矢崎総業の2件となっています。
2014年全体で、住友電装の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業、次いで古河電気工業、デンソーとなっています。
(※)住友電工グループ:住友電気工業、住友電装、オートネットワーク技術研究所
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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