弊社はこのほど、独自に分類した窯業業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「窯業業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、旭硝子の1,069件、次いでTOTOの707件、日本ガイシの659件となりました。
【窯業業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
旭硝子 | 1,069 | |
TOTO | 707 | |
日本ガイシ | 659 | |
日本特殊陶業 | 526 | |
日本板硝子 | 417 | |
LIXIL | 415 | |
太平洋セメント | 328 | |
日本電気硝子 | 280 | |
CORNING | 277 | |
住友大阪セメント | 258 | |
1位旭硝子の最も引用された特許は、昨年に引き続き「透明導電膜付き化学強化ガラス基板、およびその製造方法(特願2002-295730)」で、後発の特許14件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には日本電気硝子の7件、Corning(米)の6件、京セラディスプレイの1件となっています。このほかには「有機LED素子」に関する特許(特許第5195755号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2014年に、旭硝子の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は日本電気硝子、次いでCorning(米)、ダイキン工業、大日本印刷となっています。
2位TOTOの引用された件数の多い特許には、「製膜体(特許第4300567号)」や「浴槽給湯水改質システム(特願平11-357728)」が挙げられ、前者はコニカミノルタの4件をはじめとする計5件に、後者はパナソニックIPマネジメントの8件の審査過程において拒絶理由としてそれぞれ引用されています。
2014年に引用されたTOTOの707件の特許を分野別にみると、「サニタリー」関連が最も多く、このほかには「給湯装置」「燃料電池」「水処理」などの技術がみられます。
3位日本ガイシの最も引用された特許には、「発光ダイオード装置(特許第4969119号)」や「積層型圧電素子」に関する特許(特許第4936306号)、「発光素子(特願2007-2511)」、「ハニカム構造体の製造方法(特願2005-186122)」が挙げられ、いずれも後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、日本ガイシの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は京セラ、次いでトヨタ自動車、Corning(米)、デンソーとなっています。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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