弊社はこのほど、独自に分類した電気機器業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、パナソニックの18,941件、次いで東芝の11,833件、日立製作所の9,554件となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニック | 18,941 | |
東芝 | 11,833 | |
日立製作所 | 9,554 | |
ソニー | 8,688 | |
三菱電機 | 7,705 | |
シャープ | 7,403 | |
NEC | 5,227 | |
富士通 | 5,152 | |
三洋電機 | 4,518 | |
ルネサスエレクトロニクス | 2,825 | |
1位パナソニックの引用された件数の多い特許は、「LED駆動装置」に関する特許(特許第5237727号)や、三菱化学との共同保有となっている「非水電解質二次電池(特許第3193342号)」が挙げられ、前者は三菱電機と三菱電機照明の共同出願6件のほか、東芝ライテックによる2件の合計8件、後者は三菱化学の5件、ソニーと日立化成の各1件の合計7件の審査における拒絶理由としてそれぞれ引用されています。
2014年に、パナソニックの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機となっており、次いで東芝、ソニー、Qualcommと続いています。
2位東芝の最も引用された特許は、「LEDの放熱性向上」に関する特許(特許第4359195号)で、後発の特許11件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には大日本印刷の3件をはじめ、ローム、日亜化学工業、LG Innotekの各2件などとなっています。
このほか、「TMR素子の低抵抗化」に関する特許(特許第4738395号)や、「半導体基板の表面処理方法(特許第4403202号)」などが引用件数の多い特許として挙げられます。
3位日立製作所の最も引用された特許は、「タブレット端末等におけるマルチタッチの検出」に関する特許(特願平6-220205)で、後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはJVCケンウッドやセイコーエプソン、カシオ計算機、Neonode Incなどとなっています。次いで、「充放電管理装置(特許第4713623号)」および「非接触型ICカードに対する電力の安定供給」に関する特許(特許第3392016号)、「植物由来のエポキシ樹脂」に関する特許(特願2008-116576)、「電化製品のリモコン機能付き携帯端末」に関する特許(特願2003-295556)が、いずれも後発の特許8件の審査における拒絶理由として引用されています。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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