弊社はこのほど、独自に分類した鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、住友電気工業の2,413件、次いで新日鐵住金の2,194件、日立金属の1,433件となりました。
【鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
住友電気工業 | 2,413 | |
新日鐵住金 | 2,194 | |
日立金属 | 1,433 | |
古河電気工業 | 1,163 | |
神戸製鋼所 | 1,114 | |
JFEスチール | 1,110 | |
フジクラ | 893 | |
三菱マテリアル | 829 | |
JFEエンジニアリング | 416 | |
住友金属鉱山 | 352 | |
1位住友電気工業の最も引用された特許は、「マルチコア光ファイバ(特願2010-546668)」および、「半導体発光装置(特許第4020092号)」で、いずれも後発の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、前者はフジクラの3件、日立金属の2件など、後者は京セラの2件のほか、パナソニック、カシオ計算機、ROYAL PHILIPS(蘭)、カリフォルニア大学などの各1件となっています。
2014年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業、次いで古河電気工業、トヨタ自動車となっています。
2位新日鐵住金の最も引用された特許は、「製缶加工用素材としての容器用鋼板」に関する特許(特許第4886811号)で、後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはJFEスチールの4件のほか、日本ペイント、東洋製罐グループホールディングスなどとなっています。
2014年に、新日鐵住金の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチール、次いで神戸製鋼所、日新製鋼となっています。
3位日立金属の最も引用された特許は、「磁気冷凍作業ベッド用の焼結体」に関する特許(特願2006-119673)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはBASF(独)の3件、デンソーの2件などとなっています。このほかには、「冷凍機に使用される磁性材料」に関する特許(特許第4240380号)や、「高熱伝導・低熱膨張複合材」に関する特許(特許第4344934号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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