弊社はこのほど、独自に分類した機械・造船業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「機械・造船業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、三菱重工業の2,556件、次いでダイキン工業の1,373件、IHIの943件となりました。
【機械・造船業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
三菱重工業 | 2,556 | |
ダイキン工業 | 1,373 | |
IHI | 943 | |
クボタ | 849 | |
豊田自動織機 | 795 | |
荏原 | 611 | |
川崎重工業 | 610 | |
コマツ | 601 | |
村田機械 | 563 | |
住友重機械工業 | 475 | |
1位三菱重工業の最も引用された特許は、昨年に引き続き、山形大学教授の城戸淳二氏、ロームとの共同保有となっている「有機エレクトロルミネッセント素子(特許第3933591号)」で、後発の特許16件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には半導体エネルギー研究所の12件をはじめ、Samsung Display、Global OLED Technologyなどとなっています。このほかには、「電気自動車の電力制御システム」に関する特許(特許第3758986号)や、九州電力との共同保有となっている「蓄電システム(特許第5529402号)」などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2位ダイキン工業の最も引用された特許は、「太陽電池のバックシート(特許第5127123号)」および「プラスチック発泡体製造用の発泡剤」に関する特許(特願平3-301995)で、それぞれが後発の特許11件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にみると、前者は富士フイルム、Arkemaの各2件をはじめ、大日本印刷、日本触媒、SunPowerなど、後者はE.I. du Pontの9件、Honeywell Internationalの2件となっています。
2014年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機、次いでパナソニックIPマネジメント、三菱重工業となっています。
3位IHIの最も引用された特許は、「ロボット装置の制御装置」に関する特許(特許第5343641号)や「非接触給電設備」(特願平9-29225)、住友大阪セメント、日本ウォーターシステムとの共同保有となっている「塩素含有廃棄物の処理」に関する特許(特許第5085027号)となっており、それぞれが後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、IHIの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱重工業、次いで三菱日立パワーシステムズ、東芝となっています。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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