弊社はこのほど、独自に分類した繊維・紙・パルプ業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、東レの2,036件、次いで東洋紡の783件、三菱レイヨンの681件となりました。
【繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東レ | 2,036 | |
東洋紡 | 783 | |
三菱レイヨン | 681 | |
帝人 | 643 | |
クラレ | 624 | |
王子ホールディングス | 542 | |
ユニチカ | 363 | |
3M | 350 | |
三菱製紙 | 281 | |
大王製紙 | 256 | |
1位東レの最も引用された特許は、「発光素子材料および発光素子(特許第5003156号)」、「表面硬化フィルム(特願平8-343431)」のほか、太陽電池用フィルム関連の特許2件の合計4件で、それぞれが後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、東レの特許によって影響を受けた件数が多い企業は三菱樹脂、次いで富士フイルム、帝人、大日本印刷などとなっています。
2位東洋紡の最も引用された特許は、「光学用易接着性ポリエステルフィルム(特許第4770971号)」および「液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム(特許第4962661号)」で、前者は三菱樹脂の7件と大日精化工業の1件、後者は花王の8件と、それぞれが後発の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱樹脂、次いで東レ、富士フイルムとなっています。
3位三菱レイヨンの最も引用された特許は、神奈川科学技術アカデミーとの共同保有となっている「鋳型、鋳型の製造方法及びシートの製造方法(特許第4658129号)」のほか、「被処理水の処理方法(特許第5172082号)」、「表面硬度向上剤、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体(特願2008-291402)」の合計3件で、それぞれが後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2014年に、三菱レイヨンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大日本印刷、次いで住友化学、東レ、凸版印刷となっています。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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