株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した自動車部品業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、デンソー、次いで住友電装、日立オートモティブシステムズとなりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
デンソー | 5,484 | |
住友電装 | 1,164 | |
日立オートモティブシステムズ | 1,010 | |
矢崎総業 | 989 | |
アイシン精機 | 896 | |
ジェイテクト | 788 | |
日本精工 | 733 | |
アイシン・エィ・ダブリュ | 708 | |
豊田合成 | 672 | |
NTN | 578 | |
1位デンソーの最も引用された特許は、「回生エネルギーによる回生発電が可能な車載電源装置」に関する特許(特許第5488046号)で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には三洋電機の特許8件(うち、2件はパナソニックと共同出願)、三菱自動車工業の特許2件となっています。このほかには「車載用高電圧モータ装置用コモンモードノイズキャンセル回路装置」に関する特許(特許第4663404号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(363件)、次いでトヨタ自動車(314件)、日立オートモティブシステムズ(194件)と続いています。
2位住友電装の最も引用された特許は、「自動車用アース端子と電線の防水接続構造」に関する特許(特願2002-230938)で、後発の特許15件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この15件はいずれも古河電工グループ(※)の特許となっています。このほかには、住友電気工業やオートネットワーク技術研究所と共同出願を行っている「コイルユニット及び非接触給電システム」(特願2012-033594)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、住友電装の特許によって影響を受けた件数が多い企業は矢崎総業(376件)、古河電工グループ(※)(51件)、トヨタ自動車(39件)となっています。
3位日立オートモティブシステムズの最も引用された特許は、「駐車スペース認識装置」に関する特許(特許第4940168号)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には日産自動車の3件をはじめ、住友電気工業とNOKIA TECHNOLOGIES(フィンランド)がそれぞれ1件となっています。このほかには「内燃機関の制御装置」に関する特許(特許第5780897号)や、「発電機やモータ等の回転電機」に関する特許(特許第4887128号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、日立オートモティブシステムズの特許によって影響を受けた件数が多い企業はデンソー(95件)、トヨタ自動車(72件)、三菱電機(61件)となっています。
(※)古河電工グループ:古河電気工業、古河AS
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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