株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した電気機器業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、パナソニック、次いで東芝、日立製作所となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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パナソニック(※注) | 14,722 | |
東芝 | 8,573 | |
日立製作所 | 7,275 | |
三菱電機 | 6,766 | |
ソニー | 6,570 | |
シャープ | 5,909 | |
富士通 | 3,938 | |
NEC | 3,877 | |
三洋電機 | 3,223 | |
京セラ | 2,521 | |
1位パナソニックの最も引用された特許は、「冷媒システム用コンプレッサー」に関する特許(特許3262110号)で、後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。企業別には三菱電機が5件、日東電工、日東シンコーがそれぞれ1件で、対象となる特許は三菱電機がコンプレッサー、モーター、日東電工、日東シンコーがモーター用絶縁シートという違いがあります。このほかには「空気調和機」に関する特許(特願2000-201886)や、「リチウムイオン二次電池」に関する特許(特願1998-147260)、などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、パナソニックの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(789件)、次いで、シャープ(304件)、キヤノン(294件)となっています。
2位東芝の最も引用された特許は、東芝ライテックとの共同出願である「照明装置」に関する特許(特願2011-225074)で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはパナソニック、PHILIPS、CREE等が挙げられます。このほかには「画像の符号化・復号化」に関する特許(特許5072893号)やリチウムイオン電池に関する特許(特願1996-237893)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(425件)、次いで、パナソニック(248件)、富士通(204件)となっています。
3位日立製作所の最も引用された特許は、昨年に引き続き「商品販売システム」(特願1992-035303)で、後発の特許12件に審査の過程で拒絶理由として引用されており、企業別には寺岡精工が10件、東芝テックが2件となっています。このほかには「フォークリフト」に関する特許(特願2012-007279)や、「車両用ヘッドアップディスプレイ」に関する特許(特願2007-326705)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、日立製作所の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(361件)、次いで、富士通(271件)、NEC(212件)となっています。
(注)「パナソニック」は「パナソニック株式会社」と「パナソニックIPマネジメント株式会社」を一つにまとめて集計しています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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