株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した食品業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、味の素、次いでキリンホールディングス、明治ホールディングスとなりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
味の素 | 332 | |
キリンホールディングス | 287 | |
明治ホールディングス | 189 | |
日本たばこ産業 | 165 | |
サントリーホールディングス | 162 | |
アサヒグループホールディングス | 155 | |
不二製油グループ本社 | 134 | |
ハウス食品グループ本社 | 126 | |
日清オイリオグループ | 117 | |
日清製粉グループ本社 | 116 | |
1位味の素の最も引用された特許は、昨年に続いて「多層プリント配線板などに用いられる樹脂組成物」に関する特許(特許第5786327号)で、住友ベークライトの4件、三菱ガス化学の2件など合計12件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「高齢者の筋肉量低下などの諸症状に有効な予防効果を有する栄養組成物」に関する特許(特許第5983601号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はCJ CHEILJEDANG(韓)(12件)、次いで日立化成および花王(各8件)となっています。
2位キリンホールディングスの最も引用された特許は、「ビール風味発酵アルコール飲料」に関する特許(特願2010-280723)で、アサヒビールの5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには「フルーツ香が付与されたビールテイスト飲料」に関する特許(特許第5073784号)や、「低アルコール無糖飲料の製造方法」に関する特許(特許第5254155号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年にキリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はアサヒグループホールディングス(38件)、次いでサッポロホールディングス(14件)、サントリーホールディングス(11件)となっています。
3位明治ホールディングスの引用された件数の最も多い特許は、「所望のタンパク質を大量に発現させる方法」に関する特許(特許第4257759号)で、本田技研工業のセルロース分解物の製造方法関連特許6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に明治ホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は雪印メグミルク(11件)で、本田技研工業(7件)、日清食品ホールディングス(5件)と続いています。
(注):企業グループ作成のため、名寄せの対象とした企業は下記の通りです。
「アサヒグループHD」:アサヒグループホールディングス、アサヒビール、
アサヒビールモルト、アサヒグループ食品、
アサヒフードアンドヘルスケア、アサヒ飲料、
カルピス、ニッカウイスキー、天野実業、日本エフディ、和光堂
「キッコーマン」:キッコーマン、キッコーマンバイオケミファ、キッコーマンソイフーズ、
日本デルモンテ、マンズワイン
「キリンHD」:キリンホールディングス、キリン、キリンエンジニアリング、
キリンテクノシステム、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、
協和発酵キリン、協和発酵バイオ
「サッポロHD」:サッポロビール、ポッカサッポロフード&ビバレッジ
「サントリーHD」:サントリーホールディングス、サントリー食品インターナショナル、
サントリーフラワーズ、サントリー酒類
「ニチレイ」:ニチレイ、ニチレイフーズ、ニチレイバイオサイエンス
「ハウス食品グループ本社」:ハウス食品グループ本社、ハウス食品、
ハウスウェルネスフーズ
「MIZKAN HOLDINGS」:MIZKAN HOLDINGS、ミツカン、中埜酢店、MizkanSanmi-pro
「雪印メグミルク」:雪印メグミルク、雪印食品、雪印種苗
「日清製粉グループ本社」:日清製粉グループ本社、日清製粉、日清フーズ、日清ファルマ、
日清エンジニアリング、日清製粉プレミックス、
日清ペットフード、NBCメッシュテック、
オリエンタル酵母工業、マ・マーマカロニ
「日本たばこ産業」:日本たばこ産業、ジェイティエンジニアリング、富士フレーバー、
テーブルマーク、鳥居薬品
「不二製油グループ本社」:不二製油グループ本社、オーム乳業
「宝ホールディングス」:宝ホールディングス、宝酒造、タカラバイオ
「味の素」:味の素、味の素ゼネラルフーヅ、クノール食品
「明治HD」:明治、Meiji Seika ファルマ、明治飼糧、大蔵製薬
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
食品業界 他社牽制力ランキング2017 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
食品業界の被引用件数上位50社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
食品業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
【価格】
50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。