株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類したハウスメーカーを対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ハウスメーカー 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、ミサワホーム、次いで積水ハウス、大和ハウス工業となりました。
【ハウスメーカー 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ミサワホーム | 257 | |
積水ハウス | 187 | |
大和ハウス工業 | 146 | |
トヨタホーム | 128 | |
パナホーム | 90 | |
旭化成ホームズ | 86 | |
住友林業 | 69 | |
三井ホーム | 16 | |
サンヨーホームズ | 8 | |
ヤマダ・エスバイエルホーム | 7 | |
1位ミサワホームの最も引用された特許は、「蓄電手段を備えた建物」に関する特許(特許第3239106号)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「室内環境調整システム」に関する特許(特許第5684676号)などが多く、パナソニックIPマネジメントや三菱電機などの特許3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は旭化成ホームズ(22件)、次いで、トヨタホーム(20件)、パナソニック(17件)となっています。
2位積水ハウスの最も引用された特許は、「梁の配管挿通部における耐火被覆構造」に関する特許(特許第5141592号)や、「遮音床パネルの製造方法」に関する特許(特許第5431383号)で、後発の特許3件の審査過程でそれぞれ拒絶理由として引用されています。このほかには「換気構造」に関する特許(特願2006-170078)や「睡眠環境形成装置」に関する特許(特願2004-021858)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、積水ハウスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は旭化成ホームズ(27件)、次いで、大和ハウス工業(19件)、トヨタホーム(16件)となっています。
3位大和ハウス工業の最も引用された特許は、「エネルギー管理システム及び管理装置」に関する特許(特許第5703207号)で、後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「エネルギーマネジメントシステム及びエネルギーマネジメント方法」に関する特許(特許第5782233号)や、「エネルギーデータ管理システム及びエネルギーデータ管理装置」に関する特許(特願2002-052161)が多く、後発の特許3件の審査過程においてそれぞれ拒絶理由として引用されています。
2017年に、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニック(11件)、次いで、三菱電機(10件)、トヨタホーム(6件)、京セラ(6件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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