株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した機械・造船業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「機械・造船業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、三菱重工業、次いでダイキン工業、クボタとなりました。
【機械・造船業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
三菱重工業 | 2,257 | |
ダイキン工業 | 1,241 | |
クボタ | 845 | |
豊田自動織機 | 776 | |
IHI | 723 | |
川崎重工業 | 555 | |
コマツ | 516 | |
村田機械 | 494 | |
ヤンマー | 467 | |
荏原 | 447 | |
1位 三菱重工業の最も引用された特許は、「スクロール圧縮機」(特許第4301713号)で、7件の後発の特許の拒絶理由に引用されています。そのほか、「6軸荷重検出装置」(特願1995-291103)や「有機エレクトロルミネッセント素子」(特許第3933591号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、三菱重工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱日立パワーシステムズ(114件)、次いで、GENERAL ELECTRIC(75件)、三菱電機(74件)となっています。
2位 ダイキン工業の最も引用された特許は、「フルオロブテンからなる発泡剤およびプラスチック発泡体の製造方法」(特願1991-301995)で、後発の特許9件の拒絶理由として引用されています。そのほか、「スクロール圧縮機」(特願2008-071973)や「冷凍装置」(特許第5522288号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(213件)、次いで、パナソニック(89件)、富士通ゼネラル(38件)となっています。
3位 クボタの最も引用された特許は、「作業機」(特願2011-260251)と、「半導体素子モジュール基板の積層構造」(特願2001-267339)で、ともに後発の特許7件の拒絶理由として引用されています。そのほか、「収穫機」(特許第5774914号)や「作業車」(特許第5568042号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、クボタの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はヤンマー(170件)、次いで、井関農機(63件)、三菱マヒンドラ農機(29件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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