株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した繊維・紙・パルプ業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、東レ、次いで東洋紡、クラレとなりました。
【繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東レ | 1,831 | |
東洋紡 | 620 | |
クラレ | 567 | |
帝人 | 549 | |
王子ホールディングス | 472 | |
ユニチカ | 313 | |
大王製紙 | 308 | |
三菱製紙 | 279 | |
3M | 247 | |
日本製紙 | 173 | |
1位東レの最も引用された特許は、「積層体の製造方法」に関する特許(特許第6099875号)で、大日本印刷の特許5件を含む後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには、「黒色樹脂組成物、樹脂ブラックマトリックス基板およびタッチパネル」に関する特許(特許第5333670号)が引用された件数の多い特許として挙げられ、東洋インキSCホールディングスと新日鉄住金化学の特許3件の審査過程においてそれぞれ拒絶理由として引用されています。
2017年に、東レの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル (112件)、次いで、大日本印刷(57件)、旭化成(44件)となっています。
2位東洋紡の最も引用された特許は、「液晶表示装置、偏光板および偏光子保護フィルム」に関する特許(特許第4962661号)で、全てが大日本印刷の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「ガラス/樹脂積層体の製造方法」に関する特許(特許第5723776号)、「熱可塑性コンポジット用前駆体」に関する特許(特許第2720489号)、「通気性シート」に関する特許(特願2010-268527)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、東洋紡の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱ケミカル(46件)、次いで、大日本印刷(26件)、富士フイルム(24件)となっています。
3位クラレの最も引用された特許は、「樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体」に関する特許(特許第3602704号)で、全てがユニチカの特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「面光源素子およびその製造方法」に関する特許(特願2008-539858)が多く、3M INNOVATIVE PROPERTIESの特許3件を含む後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、クラレの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友化学(28件)、次いで、三菱ケミカル(19件)、大日本印刷(19件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
繊維・紙・パルプ業界 他社牽制力ランキング2017 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
繊維・紙・パルプ業界の被引用件数上位50社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
繊維・紙・パルプ業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
【価格】
50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。