株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、ブリヂストン、次いで横浜ゴム、住友ゴム工業となりました。
【ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ブリヂストン | 1,158 | |
横浜ゴム | 578 | |
住友ゴム工業 | 508 | |
東洋ゴム工業 | 321 | |
住友理工 | 276 | |
三ツ星ベルト | 100 | |
バンドー化学 | 95 | |
ニッタ | 94 | |
MICHELIN | 76 | |
THE GOODYEAR TIRE & RUBBER | 64 | |
1位ブリヂストンの最も引用された特許は、「低発熱性に優れたタイヤ」に関する特許(特願2009-196567)で、住友ゴム工業の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤(シリカ)の分散性を改良したゴム組成物」に関する特許(特許第6113189号)が、横浜ゴムの特許5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(141件)、次いで横浜ゴム(117件)、東洋ゴム工業(69件)と続いています。
2位横浜ゴムの最も引用された特許は、「重荷重車輌用タイヤのキャップトレッド用のゴム組成物」に関する特許(特許第6248621号)や、「耐カット性その他の物性が改良された空気入りタイヤ」に関する特許(特許第3998692号)で、それぞれ後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いる積層体」に関する特許(特許第5459446号)や「熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いるグレイジングガスケット」に関する特許(特許第5228277号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(95件)、次いで、ブリヂストン(85件)、東洋ゴム工業(36件)となっています。
3位住友ゴム工業の最も引用された特許は、「樹脂発泡体の製造方法」に関する特許(特願2003-396054)で、日東電工の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「空気入りラジアルタイヤ」に関する特許(特願1996-100490)が、横浜ゴムの特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は横浜ゴム(77件)、次いで、ブリヂストン(66件)、東洋ゴム工業(48件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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