株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した自動車部品業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業は、デンソー、次いで住友電装、日立オートモティブシステムズとなりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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デンソー | 5,095 | |
住友電装 | 1,130 | |
日立オートモティブシステムズ | 1,009 | |
矢崎総業 | 903 | |
アイシン精機 | 770 | |
ジェイテクト | 745 | |
アイシン・エィ・ダブリュ | 722 | |
日本精工 | 675 | |
豊田合成 | 604 | |
NTN | 570 | |
1位 デンソーの最も引用された特許は、「ヘッドアップディスプレイ装置」に関する特許(特許第5370427号)で、リコーの特許4件、マクセルの特許3件を含む後発の特許9件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「鉛蓄電池とリチウム蓄電池の両蓄電池を備えた電源装置」に関する特許(特許第5488169号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(306件)、次いで三菱電機(275件)、日立オートモティブシステムズ(185件)と続いています。
2位 住友電装の最も引用された特許は、「コイルユニット及び非接触給電システム」に関する特許(特許第5293851号;年金未納による失効のため特許権なし)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「不正アクセスに対して適切に対処することを可能とする通信システム」(特許第5772666号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、住友電装の特許によって影響を受けた件数が多い企業は矢崎総業(250件)、トヨタ自動車(48件)、デンソー(47件)となっています。
3位 日立オートモティブシステムズの最も引用された特許は、「燃料噴射弁」に関する特許(特許第6087210号)や「車両の走行状態を制御する車両制御装置」に関する特許(特許第4478037号)で、後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「回転電機システム」に関する特許(特許第5492599号)や、「内燃機関の制御装置」に関する特許(特許第5982484号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2018年に、日立オートモティブシステムズの特許によって影響を受けた件数が多い企業はデンソー(160件)、トヨタ自動車(78件)、本田技研工業(38件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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