弊社はこのほど「遊技機業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「遊技機業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、SANKYO、次いで京楽産業、サミーとなりました。
【遊技機業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
SANKYO | 2,139 | |
京楽産業 | 1,257 | |
サミー | 1,077 | |
ソフィア | 771 | |
平和 | 750 | |
大都技研 | 742 | |
ユニバーサルエンターテインメント | 633 | |
ニューギン | 590 | |
三洋物産 | 587 | |
藤商事 | 567 | |
1位 SANKYOの最も引用された特許は「遊技者の公平性を損なわず、異常状態から復旧させられる弾球遊技機」に関する技術で、京楽産業などの計27件の審査過程で引用されています。このほか「特定状態中の遊技の興趣を向上させることのできるスロットマシン」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、オリンピアの「射倖性を抑制することができる遊技機」など計17件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、SANKYOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はサンセイアールアンドディ(353件)、次いで三洋物産(333件)、京楽産業(316件)となっています。
2位 京楽産業の最も引用された特許は「当たり判定の権利を示す保留画像を多様に変化できる遊技機」に関する技術で、三洋物産などの計18件の審査過程で引用されています。このほか「遊技の進行に直接は関係しない情報を効果的に報知できる遊技機」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ニューギンなどの計17件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、京楽産業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、SANKYO(455件)、次いでサンセイアールアンドディ(276件)、大一商会(222件)となっています。
3位 サミーの最も引用された特許は「入賞しやすい状態が過度に継続しないようにしつつ、入賞しやすさを変化させやすくする遊技機」に関する技術で、山佐の「不正対策をさらに効率的に行う遊技機」関連特許など計30件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、サミーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、SANKYO(331件)、次いで三洋物産(231件)、ユニバーサルエンターテインメント(204件)となっています。
そのほか、4位 ソフィアは「表示演出の興趣を高めた遊技機」、5位 平和は「外部への光の放射効率を向上し、かつ熱源が発する熱による悪影響を低減できる表示用基板」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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