弊社はこのほど「情報通信業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「情報通信業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、NTT、次いでNTTドコモ、NECプラットフォームズとなりました。
【情報通信業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
NTT | 1,893 | |
NTTドコモ | 821 | |
NECプラットフォームズ | 388 | |
KDDI | 386 | |
IBM | 352 | |
ヤフー | 349 | |
MICROSOFT | 264 | |
日本放送協会 | 250 | |
楽天グループ | 203 | |
日立ソリューションズ | 191 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 NTTの最も引用された特許は「ユーザの性能要件を満たす仮想環境を容易に構築できるサーバ選択装置」に関する技術で、エヌ・ティ・ティ・コムウェアなどの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「装着時の不快感を軽減し、生体電極を生体に安定的に接触できるウエアラブル電極」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、東洋紡の計4件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、NTTの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNEC(103件)で、次いで富士通(71件)となっています。
2位 NTTドコモの最も引用された特許は「ユーザ装置間でフィードバック及び再送を行える移動通信システム」に関する技術で、ソニーグループなどの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「操作入力の受付や電子機器の応答を、ユーザが画面を見ずに容易に確認できる携帯型電子機器」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、IMMERSIONなどの計4件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、NTTドコモの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS(43件)で、次いでソニーグループ(42件)となっています。
3位 NECプラットフォームズの最も引用された特許は「センサの検出値に応じて、通知の送信先を決定するイベント通知装置」に関する技術で、三菱電機などの計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、NECプラットフォームズの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、NEC(20件)で、次いでパナソニック、東芝テック(いずれも17件)となっています。
そのほか、4位 KDDIは「簡易な構成によって、飛行体の飛行を制御する際の信頼度を高める飛行体制御装置」、5位 IBMは「顧客にとって利便性の高い処理システム、サーバ、処理端末、通信端末等」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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