弊社はこのほど「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、神戸製鋼所となりました。
【鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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住友電気工業 | 2,064 | |
日本製鉄 | 1,400 | |
神戸製鋼所 | 834 | |
日立金属 | 826 | |
JFEスチール | 805 | |
古河電気工業 | 773 | |
フジクラ | 597 | |
三菱マテリアル | 580 | |
東洋製缶グループホールディングス | 309 | |
住友金属鉱山 | 265 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 住友電気工業の最も引用された特許は「抵抗温度特性、感度温度特性などのパラメ−タの値が小さくばらつきの少ない薄膜歪抵抗材料」に関する技術で、ミネベアミツミの計11件の審査過程で引用されています。このほかには「コア材を取り出す際の作業性が良い電気絶縁ケーブル」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日立金属の計6件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(92件)で、次いで古河電気工業(75件)となっています。
2位 日本製鉄の最も引用された特許は「土留め壁や護岸、或いは建築物の基礎等に利用される鋼管杭柱列の構築工法」に関する技術で、技研製作所などの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「作業車両用の安全装置及び作業車両の監視方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日立建機などの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、JFEスチール(159件)で、次いでPOSCO(39件)となっています。
3位 神戸製鋼所の最も引用された特許は「溶接時のシールドガスを乱さずに防護体の汚れを防止する溶接センサ」に関する技術で、ダイヘンなどの計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、神戸製鋼所の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、日本製鉄(46件)で、次いでJFEスチール(32件)となっています。
そのほか、4位 日立金属は「車両の配線スペースを有効に利用でき、配線作業を容易にすることが可能な複合ハーネス」、5位 JFEスチールは「厳しい海水腐食環境下で優れた耐食性と強度特性を有し、大入熱溶接を行う場合においても溶接部の靭性に優れた船舶用耐食鋼材」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
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