弊社はこのほど「機械業界」を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「機械業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、三菱重工業、次いでダイキン工業、豊田自動織機となりました。
【機械業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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三菱重工業 | 1,713 | |
ダイキン工業 | 1,228 | |
豊田自動織機 | 814 | |
IHI | 747 | |
日本精工 | 654 | |
クボタ | 608 | |
ヤンマーパワーテクノロジー | 527 | |
NTN | 518 | |
コマツ | 498 | |
日立建機 | 481 | |
1位 三菱重工業の最も引用された特許は「電動発電機のステータ巻線の循環電流を抑制することなどが可能な電力貯蔵フライホイール装置」に関する技術で、デンソーなどの計12件の審査過程で引用されています。このほかには「サービスを行う対象となる人を的確に認識し、状況に応じて来場者へサービスを行うロボットシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、富士フイルムビジネスイノベーションなどの計7件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、三菱重工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱パワー(66件)で、次いでIHI(45件)となっています。
2位 ダイキン工業の最も引用された特許は「強電部品のノイズが弱電部品に与える影響を抑制し、電装品ユニットを小型化した、冷凍装置の電装品ユニット」に関する技術で、富士通ゼネラルの計8件の審査過程で引用されています。このほかには「転化率と選択率の高い1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、AGCの計5件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱電機(186件)で、次いでパナソニック(81件)となっています。
3位 豊田自動織機の最も引用された特許は「位置情報を取得できず停止しても、オペレータ無しで、搬送車を正常な自律走行へ復帰できる無人搬送システム」に関する技術で、トヨタ自動車などの計3件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2021年に、豊田自動織機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(65件)で、次いでデンソー(30件)、本田技研工業(28件)となっています。
そのほか、4位 IHIは「マニピュレータと人との干渉、接触を確実に防止しつつ、装置のダウンタイムを減少させ、稼働効率が低下しないようにする、マニピュレータを備えたロボット装置」、5位 日本精工は「バスバー構造体を小型にできる電動機、電動パワーステアリング装置および車両」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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