弊社はこのほど「ゴム製品業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、ブリヂストン、次いで横浜ゴム、住友ゴム工業となりました。
【ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ブリヂストン | 1,019 | |
横浜ゴム | 640 | |
住友ゴム工業 | 607 | |
TOYO TIRE | 278 | |
住友理工 | 273 | |
MICHELIN | 110 | |
バンドー化学 | 103 | |
三ツ星ベルト | 75 | |
ニッタ | 75 | |
THE GOODYEAR TIRE &RUBBER | 65 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 ブリヂストンの最も引用された特許は「補強層とゴムチェーファーとの間に生じる亀裂、セパレーションを効果的に抑制する重荷重用空気入りタイヤ」に関する技術で、TOYO TIREの計7件の審査過程で引用されています。このほかには「ベルトコンベアのベルトの管理を行うベルト個体管理システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、横浜ゴムの計6件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(198件)で、次いで横浜ゴム(100件)となっています。
2位 横浜ゴムの最も引用された特許は「ビード部(ホイールとタイヤの結合部)の耐久性を向上した重荷重用空気入りタイヤ」に関する技術で、TOYO TIREの計8件の審査過程で引用されています。このほかには「通電剥離用組成物ならびにそれを用いた接着剤」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日東電工などの計6件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友ゴム工業(138件)で、次いでTOYO TIRE(91件)となっています。
3位 住友ゴム工業の最も引用された特許は「ビード部の耐久性を向上し、特に高内圧、高荷重で使用されるトラック、バス用の重荷重用に好適な空気入りタイヤ」に関する技術で、TOYO TIREの計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、横浜ゴム(104件)で、次いでブリヂストン(81件)となっています。
そのほか、4位 TOYO TIREは「サイドウォール部の外表面に光の反射性に変化を持たせ外観性を向上した空気入りタイヤ」、5位 住友理工は「伸縮可能で、伸長時に電気抵抗が増加しにくく、配線の酸化等による劣化が少なく耐久性に優れた柔軟配線体」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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