弊社はこのほど「窯業業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「窯業業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、AGC、次いでTOTO、日本ガイシとなりました。
【窯業業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
AGC | 1,088 | |
TOTO | 501 | |
日本ガイシ | 424 | |
日本特殊陶業 | 409 | |
LIXIL | 388 | |
日本板硝子 | 252 | |
CORNING | 241 | |
日本電気硝子 | 225 | |
太平洋セメント | 219 | |
住友大阪セメント | 186 | |
1位 AGCの最も引用された特許は「地球温暖化への影響を十分に抑えた熱サイクルシステム用組成物」に関する技術で、ダイキン工業の計21件の審査過程で引用されています。このほかには「近赤外線遮蔽効果を有する光学フィルタ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、JSRなどの計8件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、AGCの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はダイキン工業(104件)、次いで日本電気硝子(66件)、CORNING(46件)となっています。
2位 TOTOの最も引用された特許は「便座裏面も洗浄水で洗浄可能とする水洗便器」に関する技術で、LIXILの計6件の審査過程で引用されています。このほか「衛生洗浄装置を洋式便器の上部後背部に取付けるための取付装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックホールディングスの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、TOTOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はLIXIL(122件)、次いでパナソニックホールディングス(35件)です。
3位 日本ガイシの最も引用された特許は「圧電性材料基板と単結晶からなる支持基板とを接合する方法」に関する技術で、太陽誘電など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、日本ガイシの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は日本特殊陶業(30件)、次いでデンソー(22件)、京セラ(16件)となっています。
そのほか、4位 日本特殊陶業は「静電チャック」、5位 LIXILは「トイレに関する情報を提供する情報提供装置及び情報提供プログラム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
窯業業界 他社牽制力ランキング2022 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
窯業業界の被引用件数上位50社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
窯業業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
価格:50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。