弊社はこのほど「電気機器業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、パナソニックホールディングス、次いで三菱電機、東芝となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニックホールディングス | 10,733 | |
三菱電機 | 6,048 | |
東芝 | 5,585 | |
日立製作所 | 5,004 | |
ソニーグループ | 4,068 | |
シャープ | 3,672 | |
富士通 | 3,132 | |
NEC | 2,605 | |
三洋電機 | 1,822 | |
京セラ | 1,555 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 パナソニックホールディングスの最も引用された特許は「消費電力を抑えて快適な空調制御を行うことができる空調制御方法」に関する技術で、三菱電機や富士通ゼネラルなどの計9件の審査過程で引用されています。このほかには「銅複合酸化チタン分散液」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、イビデンなどの計8件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、パナソニックホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(448件)、次いでキヤノン(237件)となっています。
2位 三菱電機の最も引用された特許は「電子式電力量計」に関する技術で、三洋物産の計22件の審査過程で引用されています。このほか「発光素子実装基板」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、大一商会の計9件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、三菱電機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニックホールディングス(329件)、次いでダイキン工業(203件)です。
3位 東芝の最も引用された特許は「X線検出器」に関する技術で、ミネベアミツミの「ひずみゲージ」関連特許など計26件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(198件)、次いでパナソニックホールディングス(175件)となっています。
そのほか、4位 日立製作所は「機械学習装置」、5位 ソニーグループは「自動運転や半自動運転を行う移動体の運転を制御する装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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