弊社はこのほど「ゼネコン業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、清水建設、次いで大成建設、鹿島建設となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 450 | |
大成建設 | 375 | |
鹿島建設 | 334 | |
竹中工務店 | 325 | |
大林組 | 302 | |
フジタ | 159 | |
前田建設工業 | 112 | |
安藤ハザマ | 96 | |
熊谷組 | 94 | |
三井住友建設 | 83 | |
1位 清水建設の最も引用された特許は「超高強度コンクリートの調合方法」に関する技術で、三井住友建設や大林組などの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「労務管理システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、グローリーなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は竹中工務店(38件)、次いで大成建設(28件)となっています。
2位 大成建設の最も引用された特許は「木質耐火部材」に関する技術で、竹中工務店などの計5件の審査過程で引用されています。このほか「空調環境モニタリングシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックなどの計5件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は竹中工務店(35件)、次いで鹿島建設、清水建設(いずれも23件)です。
3位 鹿島建設の最も引用された特許は4社の共同出願である「緊急地震速報を用いた地震防災システム」に関する技術で、清水建設の「地震動評価モデル生成方法」関連特許など計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は竹中工務店(27件)、次いで清水建設(23件)となっています。
そのほか、4位 竹中工務店は「容易に追尾対象物の自動追尾が可能な電動走行台車」、5位 大林組は「泥水シールド工法における切羽水圧の制御方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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