弊社はこのほど「自動車部品業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、デンソー、次いでアイシン、住友電装となりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
デンソー | 4,291 | |
アイシン | 1,324 | |
住友電装 | 924 | |
ASTEMO | 912 | |
矢崎総業 | 837 | |
ジェイテクト | 610 | |
豊田合成 | 350 | |
SOKEN | 349 | |
ROBERT BOSCH(独) | 288 | |
小糸製作所 | 286 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 デンソーの最も引用された特許は、デンソーITラボラトリと共同保有の「一般化する能力が高く構造が簡単なニューラルネットワーク最適化方法」に関する技術で、エンゼルグループの計7件の審査過程で引用されています。このほか「距離測定装置及び距離測定方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パイオニアや富士フイルムビジネスイノベーションなど計7件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(458件)、次いで本田技研工業(148件)となっています。
2位 アイシンの最も引用された特許は「周辺環境光の影響を受けずに高精度に車両の移動状態を推定できるナビゲーションシステム」に関する技術で、豊田自動織機などの計4件の審査過程で引用されています。このほか「気泡発生を防ぐことで確実な潤滑油供給を実現した車両用の動力伝達装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ニデックの計4件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、アイシンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(174件)、次いで本田技研工業(58件)です。
3位 住友電装の最も引用された特許は、住友電気工業とオートネットワーク技術研究所との共同出願の「端子金具と電線導体の異種金属接続部を防食処理した端子付き電線」に関する技術で、古河電気工業と古河ASが共同出願である計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、住友電装の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(131件)、次いで古河電気工業(93件)となっています。
そのほか、4位 ASTEMOは「自動運転で安全に出庫できる車両用の運転支援装置」、5位 矢崎総業は「相手端子との間に傾きが生じても良好な接触状態を確保できる接続端子」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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