弊社はこのほど「自動車メーカー業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで本田技研工業、日産自動車となりました。
【自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 5,468 | |
本田技研工業 | 2,560 | |
日産自動車 | 1,994 | |
マツダ | 717 | |
豊田中央研究所 | 672 | |
SUBARU | 582 | |
三菱自動車工業 | 487 | |
ヤマハ発動機 | 444 | |
スズキ | 380 | |
ダイハツ工業 | 249 | |
1位 トヨタ自動車の最も引用された特許は「運転者の意思に沿って自動的に自動運転が開始される運転支援装置」に関する技術で、CASE特許などの計6件の審査過程で引用されています。このほかには「アルミニウムスクラップを活用して、高強度かつ高耐食性のアルミニウム合金鍛造材を製造する方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、レゾナックの計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は本田技研工業(302件)、次いでデンソー(142件)となっています。
2位 本田技研工業の最も引用された特許は「複数のロボットにタスクを効率的に実行させることができるロボット制御装置」に関する技術で、オムロンなどの計5件の審査過程で引用されています。このほか「バイオエタノール燃料の環境への貢献度を反映した評価を行う燃料選択評価装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、トヨタ自動車の計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(404件)、次いでスズキ(65件)です。
3位 日産自動車の最も引用された特許は「車両開閉体の制御装置」に関する技術で、東海理化電機製作所など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(294件)、次いで本田技研工業(94件)となっています。
そのほか、4位 マツダは「車両の誤発進抑制装置」、5位 豊田中央研究所は「レーザセンサを搭載したフォークリフト」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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