弊社はこのほど「電気機器業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、パナソニックホールディングス、次いで東芝、三菱電機となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニックホールディングス | 9,107 | |
東芝 | 5,003 | |
三菱電機 | 4,981 | |
日立製作所 | 4,234 | |
ソニーグループ | 3,670 | |
シャープ | 3,158 | |
富士通 | 2,736 | |
NEC | 2,328 | |
三洋電機 | 1,580 | |
京セラ | 1,417 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 パナソニックホールディングスの最も引用された特許は「空間内の感染リスクを可視化し、感染予防のための最適化を行う感染リスク特定システム」に関する技術で、NECや日立製作所などの計7件の審査過程で引用されています。また、同様に引用件数の多い特許として「遠隔地のオペレータが被操作車両を円滑・安全に操作できる情報処理装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、NECやトヨタ自動車などの計7件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、パナソニックホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(309件)、次いでトヨタ自動車(210件)となっています。
2位 東芝の最も引用された特許は「少ないカメラ台数で冷蔵庫の多くの場所を自動的に撮影可能な冷蔵庫」に関する技術で、日立グローバルライフソリューションズなど計10件(のべ15回)の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほか「より正確な感情推定ができる感情推定装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、I'MBESIDEYOUの計10件(のべ14回)の拒絶理由として引用されています。
2024年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックホールディングス(158件)、次いで三菱電機(152件)となっています。
3位 三菱電機の最も引用された特許は、三菱電機照明と共同保有である「回路形成の汎用性が高い発光素子実装基板」に関する技術で、大一商会の計9件の審査過程で引用されています。
2024年に、三菱電機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックホールディングス(309件)、次いでダイキン工業(133件)です。
そのほか、4位 日立製作所は「動画像をぼけることなく表示する液晶表示装置」、5位 ソニーグループは「磁界内の異物を正確に検知できる非接触給電装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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