弊社はこのほど「エンジニアリング業業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、栗田工業、次いでJFEエンジニアリング、オルガノとなりました。
【エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
栗田工業 | 214 | |
JFEエンジニアリング | 203 | |
オルガノ | 101 | |
日鉄エンジニアリング | 79 | |
東レエンジニアリング | 76 | |
東芝プラントシステム | 75 | |
水ing | 70 | |
日立パワーソリューションズ | 64 | |
神鋼環境ソリューション | 55 | |
メタウォーター | 46 | |
1位 栗田工業の最も引用された特許は「飲料水の充填装置」に関する技術で、大日本印刷の計5件(のべ10回)の審査過程で引用されています。このほか「無人移動ユニットを用いた巡回点検システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、クボタなどの計5件(のべ7回)の拒絶理由として引用されています。
2024年に、栗田工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はオルガノ(39件)、次いで水ing(8件)です。
2位 JFEエンジニアリングの最も引用された特許は「荷役機械の操作と保守作業を支援する方法」に関する技術で、三菱電機などの計3件(のべ6回)の審査過程で引用されています。このほかには「長期間経済的な連続運転を可能とする水ろ過処理装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、クラレの計3件(のべ3回)の拒絶理由として引用されています。
2024年に、JFEエンジニアリングの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチール(8件)となっています。
3位 オルガノの最も引用された特許は「粉末イオン交換樹脂と粉末活性炭を併用し、水処理性能を向上させる水処理装置」に関する技術で、住友重機械エンバイロメントなど計3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、オルガノの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は栗田工業(13件)、次いで野村マイクロ・サイエンスとWOTA(いずれも6件)となっています。
そのほか、4位 日鉄エンジニアリングは「高力ボルト摩擦接合継手」、5位 東レエンジニアリングは「成形品の特性を精度良く推定できる樹脂成形解析方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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