弊社はこのほど「食品業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、PHILIP MORRIS PRODUCTS(米)、次いで味の素、キリンホールディングスとなりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
PHILIP MORRIS PRODUCTS(米) | 401 | |
味の素 | 292 | |
キリンホールディングス | 260 | |
日本たばこ産業 | 258 | |
アサヒグループホールディングス | 168 | |
サントリーホールディングス | 141 | |
日清製粉グループ本社 | 131 | |
NESTLE(スイス) | 103 | |
不二製油 | 103 | |
明治 | 95 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 PHILIP MORRIS PRODUCTSの最も引用された特許は「加熱要素の取り外しを容易にする前方プラグを備えた喫煙物品」に関する技術で、FutureTechnologyなどの計14件の審査過程で引用されています。このほかには「エアロゾル形成基材を位置決めできる電気加熱式エアロゾル発生装置用の引出器」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、NICOVENTURES TRADINGなどの計12件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、PHILIP MORRIS PRODUCTSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNICOVENTURES TRADING(155件)、次いで日本たばこ産業(109件)となっています。
2位 味の素の引用された件数の多い特許には、「高齢者の骨格筋量減少を改善するためのアミノ酸含有組成物」に関する技術が挙げられ、NESTLEなど計2件の審査過程で引用されています。このほか「電子レンジで加熱しても皮の周辺部分が硬くなりにくい餃子等の包餡麺帯食品」に関する技術で、イートアンドホールディングスの計2件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、味の素の特許によって影響を受けた件数が多い食品業界の企業はCJ CHEILJEDANG(韓)(9件)、次いでキッコーマン(6件)です。
3位 キリンホールディングスの最も引用された特許は「ビールの香味を保持したプリン塩基低減ビール風味発酵アルコール飲料」に関する技術で、サントリーホールディングスなど計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、キリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はサントリーホールディングス(17件)、次いでサッポロホールディングス(13件)となっています。
そのほか、4位 日本たばこ産業は「非燃焼型喫煙物品用シート」、5位 アサヒグループホールディングスは「ビールらしい風味を付与したり増強できるビール凍結乾燥物を含む風味改善剤」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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