弊社はこのほど「ゲーム・エンターテインメント業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、バンダイナムコエンターテインメント、次いでコナミデジタルエンタテインメント、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下表記SIE)となりました。
【ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
バンダイナムコエンターテインメント | 317 | |
コナミデジタルエンタテインメント | 264 | |
ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 251 | |
セガ | 191 | |
任天堂 | 159 | |
コロプラ | 146 | |
グリー | 105 | |
スクウェア・エニックス・ホールディングス | 96 | |
ディー・エヌ・エー | 88 | |
カプコン | 81 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 バンダイナムコエンターテインメントの最も引用された特許は「娯楽性を高める多彩な演出を可能にする遊技装置用の演出装置」に関する技術で、三洋物産の計15件の審査過程で引用されています。このほか「視聴者からゲームプレイヤーを援助する機能を持つ、ゲームプレイ画像視聴システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、グリーなどの計8件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、バンダイナムコエンターテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー(29件)、次いでコロプラ(26件)です。
2位 コナミデジタルエンタテインメントの最も引用された特許は「戦略性の高い育成ゲーム用の制御装置」に関する技術で、CYGAMESなどの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「ユーザが所有するキャラクタを自由に組み合わせて、様々なイベントが発生するゲーム管理装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、MIXIなど計4件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、コナミデジタルエンタテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー、MIXI(いずれも22件)となっています。
3位 SIEの最も引用された特許は「サーバとクライアントの間のデータ通信の遅延を抑えつつ、高画質な映像体験を実現する技術」に関する技術で、トヨタ自動車の計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、SIEの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はMETA PLATFORMS TECHNOLOGIES(米)(17件)となっています。
そのほか、4位 セガは「プレイヤが操作して物品を獲得・移動させるゲーム装置で、ランニングコストを低減できる機能を有する物品取得ゲーム装置」、5位 任天堂は「生体情報に基づいて個別に最適化されたサービスを提供する健康管理情報提供システム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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