弊社はこのほど「情報通信業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「情報通信業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、NTT、次いでNTTドコモ、LINEヤフーとなりました。
【情報通信業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
NTT | 1,457 | |
NTTドコモ | 592 | |
LINEヤフー | 527 | |
KDDI | 436 | |
NECプラットフォームズ | 329 | |
IBM(米) | 297 | |
日本放送協会 | 228 | |
HUAWEI TECHNOLOGIES(中) | 228 | |
MICROSOFT(米) | 180 | |
野村総合研究所 | 178 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 NTTの最も引用された特許は、関西学院と共同出願である「成長基板の表面を容易に清浄化できる結晶成長方法」に関する技術で、豊田通商などの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「観測信号から目的話者の音声を抽出するためのマスクを効果的に計算できる音声分離装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ソニーグループなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、NTTの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNEC(84件)、次いで住友電気工業(35件)となっています。
2位 NTTドコモの最も引用された特許は「ユーザ装置間でのフィードバック及び再送が可能なユーザ装置」に関する技術で、GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS(中)などの計4件の審査過程で引用されています。このほか「災害を受ける地域の人々の避難を促進する回転翼機型の防災ドローン」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、綜合警備保障などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、NTTドコモの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNEC(47件)、次いでVIVO MOBILE COMMUNICATION(中)、NTT(いずれも25件)です。
3位 LINEヤフーの最も引用された特許は「交通状況に応じて自動車保険料を柔軟に変更できる保険提供システム」に関する技術で、パイオニアなど計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、LINEヤフーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(33件)、次いで NEC(30件)となっています。
そのほか、4位 KDDIは「複数の認識エンジンを用いて人物の行動を認識するプログラム」、5位 NECプラットフォームズは「部品記号の入れ違い箇所を検出・表示できるプリント基板設計検証システム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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