弊社はこのほど「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、プロテリアル、古河電気工業となりました。
【鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
住友電気工業 | 1,824 | |
日本製鉄 | 1,333 | |
プロテリアル | 704 | |
古河電気工業 | 704 | |
神戸製鋼所 | 692 | |
JFEスチール | 654 | |
フジクラ | 478 | |
三菱マテリアル | 436 | |
住友金属鉱山 | 269 | |
東洋製缶グループホールディングス | 237 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 住友電気工業の最も引用された特許は「クロムを主体とする薄膜歪抵抗材料」に関する技術で、ミネベアミツミの「ひずみゲージ」関連特許など計11件の審査過程で引用されています。このほかには「移動端末と固定端末のセンサ情報を統合して、移動端末のセンサ情報を補正する情報提供システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、富士通など計7件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(113件)、次いで古河電気工業(84件)となっています。
2位 日本製鉄の最も引用された特許は「電線が圧着端子から抜けてしまうことがない圧着端子」に関する技術で、古河電気工業と古河ASが共同保有の「端子付き電線およびワイヤハーネス」関連特許など計8件の審査過程で引用されています。このほか「高強度冷延鋼板」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、JFEスチールなど計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチール(182件)、次いでPOSCO(韓)(28件)です。
3位 プロテリアルの最も引用された特許は「窒化珪素焼結体基板」に関する技術で、MARUWAなど計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、プロテリアルの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友電気工業(36件)、次いでTDK(23件)となっています。
同じく3位 古河電気工業の最も引用された特許は「等価屈折率のばらつきを抑制できる光導波路の製造方法」に関する技術で、NTTの計8件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、古河電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友電気工業(45件)、次いでNTT(36件)となっています。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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