弊社はこのほど、2009年3月末時点で日本の特許庁に登録特許を保有しているすべての企業を対象とした「全業種 特許資
産の規模ランキング」を集計いたしました(※)。このランキングの特徴は、特許の注目度を指数化する「パテントスコア」を用いることで、件数比較だけでは見られない、質的な観点を取り入れた評価を行っている点にあ
ります。各企業が保有する特許資産を、質と量の両面から総合的に評価しています。
集計の結果、1位はパナソニック、2位 東芝、3位
キヤノンとなりました。パナソニックは、保有特許件数が最も多い企業ですが、1件あたりの注目度でも上位10社中2位となっており、質と量を両立させてい
ることが分かります。同社が保有する注目度の高い特許には、半導体メモリに関する技術や、携帯電話のデータ処理技術、マイナスイオンの発生技術などがあり
ます。
自動車関連企業で唯一トップ10にランクインした8位のトヨタ自動車は、昨年から約30%ポイントを上げました。同社の注目度の高い特許には、排ガス処
理に関する技術や、電気自動車関連の技術が含まれています。
昨年から約15%ポイントを上げた10位のソニーは、半導体の微細パターンを形成するための技術や、遺伝子情報を効率よく集積させたDNAチップ、映像
ソフトの著作権保護のための信号処理技術などが、注目度の高い特許として挙げられます。
特許資産の規模ランキング上位10社のうち、特許1件あたりの注目度が最も高かったのは、セイコーエプソンです。同社の注目度が高い特許は比較的新し
く、残存年数が長いものが多いという特徴があります。
※【ランキングの集計について】
特許資産の規模とは、各出願人が保有する特許(特許庁に登録され、失効や権利放棄されていない特許)を「特許資産」としてとらえ、その総合力を判断する
ための指標です。特許1件ごとに注目度に基づくスコアを算出した上で、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせて、出願人ごとに合計得点を集計していま
す。注目度の算出には、特許の出願後の審査プロセスなどを記録化した経過情報などを用いています。経過情報には、出願人による権利化への意欲や、特許庁審
査官による他社特許拒絶への引用、競合他社によるけん制行為などのアクションが記録されており、これらのデータを指数化することで、出願人、審査官、競合
他社の3者が、個々の特許にどれくらい注目しているかを客観的に評価することができます。
2009年3月末時点における企業の登録特許を対象に集計しました。
ランキングデータの販売
本ランキングに関するさらに詳しい情報を、下記の通り販売しています。
【ご提供データ】
2008年度 全業種 特許資産規模ランキング
上位100位までのデータ
・業種別データ2008年度版、全期間版(1993年4月1日~2009年3月31日)
・全業種データ2008年度版、全期間版(1993年4月1日~2009年3月31日)
【価格】
50,000円(税抜)
【納品形態】
Excelファイルを収録したCD