弊社はこのほど、独自に分類した「自動車・輸送機器」業界の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「自動車・輸送機器業界 特許資産規模ランキング2012」をまとめました。2011年4月1日から2012年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、企業ごとに総合得点を集計しました。
その結果、1位 トヨタ自動車、2位 デンソー、3位本田技研工業となりました。
【自動車・輸送機器 特許資産規模ランキング2012】
順位 | 前年 順位 |
企業名 | 特許資産 規模 (pt) |
登録 件数 |
---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 142,650 | 5,089 | ||
デンソー | 86,352 | 2,815 | ||
本田技研工業 | 81,249 | 3,095 | ||
日産自動車 | 47,702 | 1,618 | ||
ROBERT BOSCH | 18,166 | 602 | ||
ヤマハ発動機 | 17,236 | 396 | ||
日立オートモティブシステムズ | 16,545 | 564 | ||
アイシン精機 | 15,918 | 547 | ||
マツダ | 14,789 | 646 | ||
矢崎総業 | 10,422 | 551 | ||
1位のトヨタ自動車は、ハイブリッド車や電気自動車などへ搭載されるバッテリーの充放電回路の分野で多数登録されていますが、注目度の高い特許として「プラグインハイブリッド車の充電システムに関する異常判定」が挙げられます。また、変速操作機構の技術に関して「シフト用モータの耐久性低下を抑制できるシフト制御装置」の特許が高評価となっています。
2位のデンソーは、主力分野である燃料噴射装置や空調装置の貢献が大きいものの、これらの中核分野以外において、中国やタイなどアジア圏へ積極的に出願している「乗員の検知性を低下させずに荷物置きの誤検知を防止できる着座センサ」や「複数の配管を一括して複数の流体流路に固定できる配管継手装置」など注目度の高い特許が登録されています。
3位の本田技研工業は、車体構造に関する技術が多数登録されていますが、特に中国や米国のみならずブラジルへも出願している「設計自由度を高めつつ、アクセルペダルブラケットの支持剛性を高める車体前部構造」の特許が高評価となっています。
また、2001年に出願された「燃料電池の暖機を迅速化する燃料電池暖機装置」の特許は、拒絶理由通知書にも多数引用されてきましたが、拒絶査定不服審判を経て2012年3月に登録となっています。
そのほか、ヤマハ発動機は、前年の9位から6位へと大躍進を遂げており、製造工程における電気部品取り付けに関する「部品実装装置」の特許が牽引役となっています。
【ランキングの集計について】
特許資産の規模とは、企業が保有する特許(特許庁から特許登録が認められ、失効や権利放棄されていないもの)を「特許資産」としてとらえ、その総合力を判断するための指標です。特許1件ごとに注目度に基づくスコアを算出した上で、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせ、企業ごとに合計得点を集計しています。注目度の算出には、特許の出願後の審査プロセスなどを記録化した経過情報などを用いています。
経過情報には、出願人による権利化への意欲や、特許庁審査官による審査結果、競合他社によるけん制行為などのアクションが記録されており、これらのデータを指数化することで、出願人、審査官、競合他社の3者が、個々の特許にどれくらい注目しているかを客観的に評価することができます。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2012年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名
が異なる特許が含まれる可能性があります。
※前年の順位は、現在の権利者情報に基づき、2011年3月末時点のポイントを集計した結果です。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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・自動車・輸送機器 特許資産規模ランキング 100(全期間と2011年度)
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