弊社はこのほど、独自に分類した「ハウスメーカー」の企業を対象に、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価した「ハウスメーカー 特許資産規模ランキング」をまとめました。2014年4月1日から2015年3月末までの1年間に登録された特許を対象に、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価を行い、企業ごとに総合得点を集計しました。
その結果、1位 ミサワホーム、2位 トヨタホーム、3位 旭化成ホームズとなりました。
【ハウスメーカー 特許資産規模ランキング2015】
順位 | 前年 順位 |
企業名 | 特許資産 規模 (pt) |
特許 件数 |
---|---|---|---|---|
ミサワホーム | 3,167.3 | 95 | ||
トヨタホーム | 2,804.4 | 118 | ||
旭化成ホームズ | 2,243.9 | 81 | ||
大和ハウス工業 | 1,468.1 | 66 | ||
住友林業 | 944.1 | 36 | ||
昨年度発表のものとは異なります。
1位のミサワホームは、「真空断熱シートを備える建物の外壁構造および外壁パネル」に関する技術などが注目度の高い特許として挙げられます。この特許は、後願特許4件(住まいる工房と旭ファイバーグラスの共同出願、アキレス、パナソニック2件)における審査の過程で、拒絶査定の先行文献として審査官に引用されています。
2位のトヨタホームの注目度の高い特許には、ミサワホームと共同保有の「住宅用電力システム」や「住宅用エネルギー管理システム」に関する技術などが挙げられます。この2つの特許は共に、PCT国際出願からの移行となっており、パテントファミリーの情報を確認すると、日本のほかには、米国、欧州(※)、中国に出願が見られ、いずれも各国の特許庁において審査中の段階となっています。
(※)欧州特許条約に加盟している複数の国で効力をもつ欧州特許の出願先である欧州特許庁
3位の旭化成ホームズは、「(鉄骨造架構における)柱と梁との接合部構造」に関する技術などが注目度の高い特許として挙げられます。この特許は、審査官により拒絶査定を受けていますが、拒絶査定不服審判を経て登録が認められています。また、自社の後願特許における審査の過程で、拒絶査定の先行文献として審査官に引用されていることから、自社において重要な技術であると推測されます。
【ランキングの集計について】
特許資産の規模とは、企業が保有する特許(特許庁から特許登録が認められ、失効や権利放棄されていないもの)を「特許資産」としてとらえ、その総合力を判断するための指標です。特許1件ごとに注目度に基づくスコアを算出した上で、それに特許失効までの残存期間を掛け合わせ、企業ごとに合計得点を集計しています。注目度の算出には、特許の出願後の審査プロセスなどを記録化した経過情報などを用いています。
経過情報には、出願人による権利化への意欲や、特許庁審査官による審査結果、競合他社によるけん制行為などのアクションが記録されており、これらのデータを指数化することで、出願人、審査官、競合他社の3者が、個々の特許にどれくらい注目しているかを客観的に評価することができます。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年9月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名 が異なる特許が含まれる可能性があります。
※前年の順位は、現在の権利者情報に基づき、2014年3月末時点のポイントを集計した結果です。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。