弊社はこのほど、化粧品の中核を占めるスキンケア剤関連技術について、参入企業の競争力に関する調査を行いました。スキンケア剤関連技術は、皮膚の保湿や美肌効果の発現、アンチエイジングなど日常生活に欠かせない要素となっています。
今回の調査では、1993年から2011年12月末までに日本の特許庁で公開された関連特許23,387件を対象に、個別特許スコアリング指標「パテントスコア」による評価を実施し、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(※)」を集計しました。
集計の結果、1位 花王、2位 資生堂、3位 LOREALという結果となりました。
【化粧品 スキンケア剤 特許総合力トップ5】
順位 | 権利者 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
花王 | 4749.5 pt | 2661 | 86.3 pt | |
資生堂 | 2776.5 pt | 1893 | 82.6 pt | |
LOREAL | 1605.4 pt | 1096 | 88.7 pt | |
UNILEVER | 1592.9 pt | 409 | 85.4 pt | |
THE PROCTER & GAMBLE | 1372.7 pt | 586 | 77.7 pt | |
図1:化粧品 スキンケア剤 競合状況
1位の花王は、2000年より総合力1位を維持しています。「快適な肌感触が得られるシート状化粧料」や、「肌のしみやそばかす等の予防や治療を目的とする皮膚化粧料」に関する技術に注目度の高い特許が多く見られます。
2位の資生堂は、2008年以降の特許出願228件中、32件(14.0%)が既に権利化に至っており、早期に権利化される割合が突出しています。また同社の出願は、他社特許の拒絶査定に引用される割合が比較的高い点に特徴があります。他社特許の拒絶件数が多い特許には、「(整髪剤などに用いられる)カチオン性増粘剤を含有した化粧料」に関する技術などがあり、花王やP&Gなど全部で27件の特許審査の際に拒絶理由として引用されています。
3位のLOREALは、不服審判や分割出願の割合が突出しており、自社権利化意欲が高い企業の一つです。注目度の高い特許には、「(皮膚を保湿する)セラミド混合物を含む化粧品組成物」に関する技術などがあります。
本分析の詳細については、定型レポート「化粧品 スキンケア剤」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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特許総合力ランキングデータ 『化粧品 スキンケア剤』
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