【マイクロニードル】特許総合力トップ3は凸版印刷、久光製薬、富士フイルム

　弊社はこのほど、2020年3月26日までに日本の特許庁で公開された「マイクロニードル関連技術」について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。

　マイクロニードルは、先端に薬剤を含有させた微細な針をシート上に配列して皮膚に貼り、微細針を通して皮膚から体内に薬剤を投与することができる技術です。注射のように痛みを伴わず、経口の薬剤投与のように肝臓への負担がないという特徴があり、疼痛や認知症の治療などに適用されます。また、取扱いが簡便で、備蓄性に優れていることから、パンデミック発生時にワクチンの大規模接種を可能にするものとして活用が期待されています。

　今回の調査では日本の特許庁で公開されているマイクロニードルの関連技術全般について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。

　集計の結果、「総合力ランキング（※1）」では、1位 凸版印刷、2位 久光製薬、3位 富士フイルムとなりました（表1、図1）。

　　　　【マイクロニードル関連技術　特許総合力トップ5】（表1）

図1：マイクロニードル関連技術　競合状況

　1位 凸版印刷の注目度の高い特許には、「突起部の先端に気泡が含まれることを抑制できるマイクロニードル」や、「マイクロニードルの型式と薬剤の組み合わせの確認を容易にするマイクロニードルユニット」などが挙げられます。

　2位 久光製薬は、「マイクロニードルによる活性成分の投与を補助する器具」に関する技術や、「薬剤の体内への移行を促す穿刺装置の小型、軽量化を図る技術」などが注目度の高い特許として挙げられます。

　3位 富士フイルムの注目度の高い特許には、「気泡の発生を抑制することができる経皮吸収シート」や、「水溶性高分子とリポソーム（リン脂質の小胞）とを混合する際にリポソームの凝集を抑制することができ、かつ薬物を針の先端に局在させることができるマイクロニードルアレイ」などが挙げられます。

　また4位 コスメディ製薬は、「迅速に体内に吸収されるマイクロニードルパッチ」などが、5位 BECTON DICKINSONは「薬物が投与されるのに十分な時間において、患者の皮膚に対する向き、配置が維持される技術」などが注目度の高い特許として挙げられます。

　そのほか、6位以下にはメドレックス、NISSHA、ナブテスコなどがランクインしています。

　本分析の詳細については、定型レポート「マイクロニードル関連技術」にてご覧いただけます。

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