【マイクロ流体デバイス】特許総合力トップ3は島津製作所、パナソニック、GYROS（スウェーデン）

　弊社はこのほど、日本に出願されたマイクロ流体デバイス関連技術について、参入企業に関する調査結果をまとめました。

　マイクロ流体デバイスは、微細加工技術によってチップ上に微小な流路や反応室等を設け、微量の流体でも分析できるようにしたもので、μ-TAS（Micro Total Analysis System）やLab on a Chipとも呼ばれています。微量の流体を1チップで分析できることから、例えばわずかな量の血液から正確かつ迅速な検査が可能となります。

　本調査ではマイクロ流体デバイス関連の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。

　その結果、「総合力ランキング（注1）」では、1位 島津製作所、2位 パナソニック、3位 GYROS（スウェーデン）となりました（下表、図1）。

　【マイクロ流体デバイス関連技術　特許総合力トップ5】

【図1】マイクロ流体デバイス関連技術　競合状況

　1位島津製作所、3位GYROS、4位アークレイと医療機器メーカーが上位を占めていますが、2位のパナソニックのような電気メーカーも多くの出願をしており、総合力上位5位以外にローム、ソニー、シャープといった企業の出願件数が多くなっています。

　その他に件数の多い企業としてコニカミノルタグループが挙げられます。同社グループからはコニカミノルタホールディングス、コニカミノルタエムジー、コニカミノルタアドバンストレイヤーからの出願がありますが、これらの企業間に共同出願はなく、直近ではアドバンストレイヤー社が出願の中心となっています。コニカミノルタグループは4月にグループ会社を統合し、社名もコニカミノルタへと変更することから、これらグループ企業を統合して評価すると図2のように総合力が2位まで上昇します。従って、グループ会社統合後に同社は本技術分野において中心的な企業の1つになると考えられます。

【図2】コニカミノルタグループ統合による競合状況の変化

　次に本技術分野における特許出願の権利化において、どのような企業の公報が拒絶査定の引用として利用されているかを調査しました（図3）。2位の島津製作所を除き、引用数ランキング上位企業が総合力上位に入っておりません。本分野において、引用数ランキング上位企業公報の多くが、無効（拒絶査定、取り下げ、失効等）となっており、現在でも有効な特許が非常に少ないことが特徴で、C社に至っては1件もありません（図3の見方-A社の場合：A社の106件が引用されて、本調査対象公報の119件が拒絶査定を受けている）。

【図3】引用件数ランキング

　本分析の詳細については、定型レポート「マイクロ流体デバイス関連技術」にてご覧いただけます。

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