投稿日:2013年07月01日
【ネットワーク/無線通信を用いたゲーム】特許総合力トップ3はKONAMI、バンダイナムコ、任天堂 ~ DeNAが急浮上 ~
#エンターテインメント , #情報通信・ネットワーク
近年の爆発的なスマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、通信端末のPDA機能を用いたWEBゲームが流行しています。このようなネットワークを用いたゲームには、パソコンや高機能化が進むコンシューマーゲーム機間でリアルタイムにゲーム進行を共有するものや、携帯ゲーム機の無線装置を用いてゲーム内のアイテムを交換したり、メッセージをやりとりするもの、アミューズメント施設に設置されたアーケードゲーム機などが挙げられます。
そこで弊社は、これらのネットワークや無線通信を用いたゲームに関する技術に着目し、参入企業の競争力に関する調査を行いました。1993年から2013年5月末までに日本の特許庁で公開された関連特許のうち、遊戯機およびプライズゲーム機に関する技術を除いた2,027件を対象に、特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング(注1)」を集計しました。
その結果、1位 コナミデジタルエンタテインメント、2位バンダイナムコゲームス、3位任天堂となりました。
【ネットワーク/無線通信を用いたゲーム関連技術 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
コナミデジタル エンタテインメント | 1012.4 | 291 | 78.5 | |
バンダイナムコゲームス | 642.1 | 169 | 79.1 | |
任天堂 | 495.8 | 97 | 80.9 | |
セガ | 331.2 | 67 | 82.3 | |
ディー・エヌ・エー | 257.2 | 12 | 76.3 | |
図1:ネットワーク/無線通信を用いたゲーム関連技術 競合状況
1位コナミデジタルエンタテインメントの注目度の高い特許には、「ゲーム進行度合いに応じて対価データの獲得率が向上し、ユーザに継続してゲームを行わせるための装置、制御方法およびプログラム」に関する技術などが挙げられます。
2位バンダイナムコゲームスは、「通信ラインで接続されたゲーム機において、ゲーム展開に対応した実況中継を自動的に行うゲーム実況中継装置」に関する技術などが、3位任天堂は、「ユーザが希望する送信側装置から画像を受け取ることが可能な画像通信のためのシステム、装置およびプログラム」に関する技術などが注目度の高い特許として挙げられます。
また、ディー・エヌ・エーは当該分野で12件の有効特許が見られます。これらは全て2011年以降の出願と非常に新しいものの、いずれも特許登録に至っており、権利化意欲の面から評価を大幅に上げ、5位にランクインしました。
そのほかの、注目すべき企業としては、カプコンが挙げられます。同社は個別力では1位となっており、総合力では僅かな差でディー・エヌ・エーに次ぐ6位となっています。
図2:上位企業 ネットワーク/無線通信を用いたゲーム関連技術 海外への出願状況
本調査対象の総合力上位5社について、2005年以降の出願年別にみたパテントファミリーの内訳(WIPO、欧州特許庁を除く、件数上位10ヶ国)を図2に示します。
いずれの企業も米国への出願が多くなっており、ディー・エヌ・エーを除く4社は韓国、中国、台湾への出願を継続的に行っていることが分かります。また、2010年、2011年ではコナミデジタルエンタテインメント、任天堂がこれまで見られていなかったオーストラリアへの出願を行っています。
図3:上位企業 ネットワーク/無線通信を用いたゲーム関連技術 海外への出願状況(近年の補足)
図2での集計は各国の公開情報が元になっており、各国で未公開の状況にある出願については集計に含まれず、直近数年の各国への移行を完全に読み取ることができません。このため、直近の海外への出願状況を補足する目的で2009年以降の出願における優先権証明請求書に記載の国名を内訳として再度集計を行いました(図3)。コナミデジタルエンタテインメントはWIPOおよび台湾を中心として優先権主張を行っています。特に2011年のWIPOへの割合が急増しており、今後各国への移行が予想されます。バンダイナムコゲームス、任天堂は欧州特許庁および米国の割合が高くなっており、今後欧州各国への移行が進んでいくものと考えられます。セガは2010年に中国、2011年にWIPOへの優先権主張が見られています。ディー・エヌ・エーは米国、韓国のみへ優先権主張を行っており、特定国への展開を視野に入れた活動を行っているものと考えられます。
本分析の詳細については、定型レポートの「ネットワーク/通信を用いたゲーム」に掲載しています。
(注1):総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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