弊社はこのほど、2020年3月19日までに日本の特許庁で公開された「ポリイミドフィルム関連技術」について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。
高強度、耐熱性、電気絶縁性に優れたポリイミドフィルムは、電子部品、自動車、ディスプレイ、二次電池など、様々な分野で利用が進められています。今回の調査では、日本の特許庁で公開されているポリイミドフィルム関連技術全般について、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースに、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
集計の結果、「総合力ランキング(※1)」では、1位 宇部興産、2位 カネカ、3位 東洋紡となりました(表1、図1)。
【ポリイミドフィルム関連技術 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
宇部興産 | 1,434.2 | 270 | 78.9 | |
カネカ | 1,215.6 | 266 | 74.2 | |
東洋紡 | 974.9 | 196 | 69.7 | |
日産化学 | 868.8 | 208 | 70.3 | |
住友化学 | 852.6 | 94 | 80.3 |
図1:ポリイミドフィルム関連技術 競合状況
1位 宇部興産の注目度の高い特許には、「透明性、折り曲げ耐性、耐熱性、耐溶剤性などに優れ、極めて低い線膨張係数をもつポリイミド前駆体及びポリイミド」や、「優れたC−V特性を示し、フレキシブルディスプレイなど電子デバイスの基板に好適なポリイミドフィルム」などが挙げられます。
2位 カネカは、「フレキシブルプリント配線板に適した多層ポリイミドフィルムおよびフレキシブル金属張積層板」や、「熱ラミネート時に生じるシワなど外観不良のない耐熱性フレキシブル積層板の製造方法」などが注目度の高い特許として挙げられます。
3位 東洋紡の注目度の高い特許には、「ポリイミドフィルムと同程度の線膨張係数を有する無機層により積層された、寸法安定性、耐熱性、絶縁性に優れた積層体」や、「耐熱性、フレキシブル性を高いレベルで保持し、熱に対して反りのないポリイミドフィルム」などが挙げられます。
4位 日産化学は「生産効率が高く、配向ムラが起きない、ポリイミド含有の液晶配向膜」などが、5位 住友化学は「屈曲性に優れる積層フィルム」などが注目度の高い特許として挙げられます。
6位以下では、旭化成、東レ、日鉄ケミカル&マテリアル、日東電工、日立化成などの企業が上位にそれぞれランクインしています。
本分析の詳細については、定型レポート「ポリイミドフィルム関連技術」にてご覧いただけます。
(※1)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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定型レポート 『ポリイミドフィルム関連技術』
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特許総合力ランキングデータ 『ポリイミドフィルム関連技術』
パテントスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
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